ChatGPTをはじめとする生成AIは、いまや医療現場でも身近な存在になりつつあります。とはいえ「医療でChatGPTをどう使えばいいのか」「患者情報を入力しても大丈夫なのか」と、使い方に迷う医師は少なくありません。本記事では、医師が日常業務でChatGPTを安全かつ効果的に活用するための具体的な使い方を、実例とともに解説します。
そもそもChatGPTは医療で何ができるのか
ChatGPTは、文章の作成・要約・翻訳・言い換えを得意とする生成AIです。医療現場では、次のような「文章まわりの業務」で力を発揮します。
- 紹介状・診断書などの医療文書の下書き
- 長文カルテや検査結果の要約
- 患者向け説明資料の平易な言い換え
- 学会・院内勉強会の資料作成
- 英語論文の翻訳・要点整理
重要なのは、ChatGPTは「診断を下す道具」ではなく「文章仕事を高速化する道具」だという点です。医学的な最終判断は必ず医師が行い、AIの出力はあくまで下書きとして扱います。
使い方1:紹介状・医療文書の下書き
紹介状は、書式は決まっていても毎回ゼロから文章を組み立てる手間がかかります。ChatGPTに「経過・所見・依頼内容」を箇条書きで渡し、「紹介状の文面に整えて」と指示すれば、体裁の整った下書きが数秒で得られます。
ただし後述のとおり、氏名・生年月日・住所などの患者を特定できる情報は入力してはいけません。「50代男性」「2型糖尿病でHbA1c 8.2%」のように匿名化・抽象化した情報だけを渡すのが鉄則です。
使い方2:長文カルテ・資料の要約
長期通院患者の経過や、大量の検査結果を短時間で把握したいときに、要約は威力を発揮します。「以下の経過を3行でまとめて」「重要な検査値の変化だけ抜き出して」といった指示で、要点を素早く整理できます。
紹介元からの分厚い診療情報提供書を読み込む前の下準備としても有効です。
使い方3:患者説明資料をわかりやすく
専門用語の多い説明を、患者や家族が理解しやすい平易な表現に言い換えるのもChatGPTの得意分野です。「中学生でもわかる言葉で」「不安をあおらないトーンで」など、伝え方を細かく指定できます。生活指導用の資料や、術前説明のたたき台づくりにも活用できます。
医療で生成AIを使うときの注意点
便利な一方で、医療での利用には守るべき一線があります。
- 患者の個人情報は入力しない:氏名・生年月日・住所・保険証番号など、個人を特定できる情報は入力しない。一般向けChatGPTは入力内容が学習に使われる可能性があるため、匿名化を徹底する。
- 出力は必ず検証する:生成AIは、もっともらしい誤り(ハルシネーション)を出すことがある。薬剤名・用量・数値は必ず一次情報で確認する。
- 最終責任は医師にある:AIの出力をそのまま採用せず、医学的妥当性を医師自身が判断する。
- 院内ルールと3省2ガイドラインを確認:医療情報の取り扱いは各種ガイドラインの対象。院内の情報管理方針に沿って利用する。
汎用AIと医療特化AIの使い分け
汎用のChatGPTは手軽ですが、患者情報を扱えない・電子カルテと連携しないという制約があります。診療記録そのものを扱う業務では、医療情報の安全管理に配慮して設計された医療特化のAIを使うのが安全です。
ポテックの「AIカルテ」は、AIネイティブの電子カルテとして、診察音声からのカルテ自動生成、紹介状・診断書など医療文書のAI下書き、過去カルテの要約といった機能を、電子カルテのデータ基盤の上で完結させます。匿名化の手間なく、日々の診療記録をそのまま活かして業務を効率化できる点が、汎用AIとの大きな違いです。
おわりに
ChatGPTは、匿名化と検証という前提さえ守れば、医師の文章仕事を大きく軽くしてくれる強力なツールです。まずは患者情報を含まない資料作成や要約から試し、診療記録そのものを扱う領域では医療特化のAIへとステップアップしていくのが現実的でしょう。
ポテックはAIカルテの提供を通じて、クリニックの皆様の最適な事業パートナーとして、医師や看護師・医事スタッフの働きやすさの改善はもちろん、クリニックとして実現したいことを最大限に叶えられるようサポートいたします。
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