オンライン資格確認の受付で毎日使われている顔認証付きカードリーダーに、「第2世代(次期)」と呼ばれる新しい機種が登場しました。2021年から導入が進んだ現行機(第1世代)は保守期限を順次迎えており、「いつ・どの機種に替えればよいのか」を検討しはじめた院長や事務長の方も多いのではないでしょうか。本記事では、第2世代が第1世代と何が違うのか、どんな製品があるのか、補助金はどこまで使えるのかを、厚生労働省・医療機関等向け総合ポータルサイト・各メーカーの公表情報をもとに整理します。
免責:本記事は2026年10月13日時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。補助額・申請期限・製品仕様・価格は変更される可能性があります。導入・申請の前に、必ず医療機関等向け総合ポータルサイトや各メーカーの最新情報をご確認ください。
マイナ保険証の制度的な位置づけについては マイナ保険証の政策解説、オンライン資格確認の導入手順は オンライン資格確認の義務化とは? もあわせてご覧ください。
なぜ今「第2世代」なのか
顔認証付きカードリーダーは、2021年ごろから本格的に医療機関・薬局への導入が進みました。機器の保守期間は一般に販売から5年程度とされており、第1世代の保守期限は2026年3月末から順次到来しています。保守期限を過ぎると、故障した際に速やかな修理や交換が受けられないおそれがあります。
加えて、従来の健康保険証の特例的な扱いも終わり、受付でマイナ保険証を使う場面はますます増えています。受付の要となる機器が止まると業務への影響が大きいため、国は保守期限の到来にあわせて第2世代機への切り替えを促し、令和7年度補正予算で購入費の一部を補助する事業を始めました。
第1世代との主な違い
厚生労働省の案内では、第2世代の顔認証付きカードリーダーには主に次のような改善が盛り込まれています。
| 項目 | 第1世代(現行機) | 第2世代 |
|---|---|---|
| スマホのマイナ保険証 | 多くの機種で外付けの汎用カードリーダーが別途必要 | カードリーダー単体で読み取り可能 |
| 音声案内 | 機種により限定的 | 操作手順やエラー内容を音声で案内 |
| 画面 | メーカーごとにレイアウトが異なる | 画面レイアウトを統一し、視認性・操作性を改善 |
| 顔認証 | 従来の認証精度 | 認証精度を高め、エラーを低減 |
| エラー時の復旧 | 手動での再起動・再接続が必要な場面がある | エラー時の自動再接続で復旧時間を短縮 |
1. スマホのマイナ保険証を本体だけで読み取れる
最も大きな違いがこれです。2025年9月からスマートフォンにマイナンバーカードの機能を搭載した「スマホのマイナ保険証」が使えるようになりましたが、第1世代の多くの機種では、スマホを読み取るために汎用カードリーダーを別途つなぐ必要がありました。第2世代では、カードリーダー本体だけでカードとスマホの両方に対応します。受付に置く機器が減り、患者さんが「どこにかざせばよいか」で迷う場面も減らせます。
2. 音声案内で、受付スタッフの声かけを減らす
「カードを置いてください」「カードの取り忘れにご注意ください」といった操作手順やエラー内容を音声で案内する機能が搭載されました。高齢の患者さんや操作に不慣れな方への声かけが減ることは、受付が混雑する時間帯ほど効いてきます。
3. 画面の統一と認証精度の向上
メーカーごとにばらばらだった画面レイアウトが統一され、どの医療機関でも同じ感覚で操作できるようになります。顔認証の精度向上や、エラー時の自動再接続によって、「認証がうまくいかずに受付が止まる」場面の減少も期待されます。
第2世代の製品一覧(3社)
2026年10月時点で、医療機関等向け総合ポータルサイトには次の3製品が第2世代の顔認証付きカードリーダーとして掲載されています。
| メーカー | 製品名/型番 | 主な特長 |
|---|---|---|
| キヤノンマーケティングジャパン株式会社 | Hi-CARA2 | テンキー・スピーカー一体型、コンパクト |
| パナソニック コネクト株式会社 | 第2世代顔認証付きカードリーダー(XC-STFR3J-MN) | 資格確認端末(PC)を本体に内蔵 |
| リコージャパン株式会社 | Caora 2 | 7インチの大画面、省スペース |
キヤノンマーケティングジャパン「Hi-CARA2」
現行機「Hi-CARA」の後継機です。暗証番号入力用のテンキーと音声案内用のスピーカーを本体に一体化しており、外付けテンキーが不要です。本体を傾けたり取り外したりしても操作できるため、お子さんや車いすの方、背の高い方にも合わせやすい設計です。
- 画面:5インチ液晶(のぞき見防止機能付き)、状態を3色で示す大型LED
- 外形寸法:幅98×奥行225×高さ268mm
- 読み取り:マイナンバーカード、スマホのマイナンバーカード(iPhone/Android)
- 現行のHi-CARAと混在でき、資格確認端末1台に最大4台まで追加ライセンス費用なしで接続可能
- 保証:5年間の自然故障保証(先出しセンドバック)
パナソニック コネクト「XC-STFR3J-MN」
2026年8月24日に発売されました。最大の特徴は、これまで別に用意していた資格確認端末(Windows PC)を本体に内蔵した点で、パナソニック コネクトは「業界初」としています。レセコンとはLANで接続するため、受付まわりの省スペース化につながります。
- 価格:379,500円(税込、製品販売サイト購入価格)
- 専用外付けテンキー(VT-QXZ2468ZA):18,700円(税込、別売)
- 背面インジケーターで、受付側からエラーの種類を確認できる
- スピーカーによる音声案内、見やすく刷新した画面UI
- 注意点:設置時には外部モニター・キーボード・マウスが必要で、レセコンなどからリモートアクセスできない環境では運用時にも外部モニターが必要になる場合があります
リコージャパン「Caora 2」
PFUが開発し、2026年10月1日にリコージャパンから販売が始まりました。現行の「Caora」(富士通Japan販売)の後継にあたります。
- 画面:5インチから7インチのタッチパネルに大型化し、大きな文字とボタンで表示。のぞき見防止機能を標準搭載
- 外形寸法:幅130×奥行185×高さ301mm(設置面積は現行Caora比で約37%小さい)
- 読み取り:マイナンバーカードは置くだけ、スマホの読み取り部は最下部に広く配置
- 音声ガイド・画面読み上げ機能、カードの取り忘れを音で通知
- 現行Caoraと合計4台まで混在接続でき、追加ライセンスは不要
- 保守:5年間の先出しセンドバック保守
いずれの製品も、価格・保守条件・既存のレセコンや資格確認端末との組み合わせは、導入する医療機関の環境によって変わります。現在お使いの機種のメーカーやレセコンベンダーに、早めに相談するのが確実です。
補助金の概要
第2世代の顔認証付きカードリーダーを導入する医療機関・薬局は、令和7年度補正予算による補助を受けられます。申請受付は2026年6月30日に始まりました。
| 対象 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 顔認証付きカードリーダー本体 | 販売価格(税込)の1/2 | 12万1,000円 |
| 資格確認端末 | 販売価格(税込)の1/3 | 5万円(カードリーダーと同時の場合に限る) |
| 端末一体型の顔認証付きカードリーダー | 上記2つの合算 | 14万6,000円 |
| 外付けテンキー | 販売価格(税込)の1/2 | 1万1,000円 |
押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 対象台数:病院は最大3台、診療所・薬局は最大1台が目安とされています
- 申請期限:2027年2月1日までに、導入・支払い・申請を完了する必要があるとされています
- 後払い方式:購入・支払いを済ませたあと、領収書と内訳書を添えて医療機関等向け総合ポータルサイトから申請します
- 対象外の費用:設置・設定費やレセコンの改修費などは補助の対象外です
補助は購入費の一部であり、全額が賄われるわけではありません。対象台数や期限、必要書類の詳細は必ずポータルサイトの最新の案内で確認してください。
買い替えを判断するときのポイント
1. 今の機種の保守期限を確認する
まずは、現在お使いの顔認証付きカードリーダーの保守期限を確認しましょう。製品ごとの保守期限はポータルサイトやメーカーの案内で確認できます。期限が近い場合は、故障してから慌てるのではなく、補助の申請期限も見据えて計画的に切り替えるのが安心です。
2. 受付のレイアウトと台数を考える
受付カウンターが狭いならコンパクトな機種や端末内蔵型、患者さんの年齢層が高いなら大画面・音声案内の分かりやすさなど、自院の受付の状況に合わせて選びます。複数台を設置している場合は、現行機と混在できるかどうかも確認しておくと、段階的な切り替えがしやすくなります。
3. レセコン・電子カルテとの連携を確認する
顔認証付きカードリーダーで取得した資格情報や薬剤情報は、レセコンや電子カルテと連携してはじめて受付・診療の効率化につながります。機種を替える際は、資格確認端末の入れ替えやネットワーク設定、レセコン側の対応が必要かどうかを、ベンダーと事前にすり合わせておきましょう。
AIカルテとの関係
ポテックが開発するAI電子カルテ「AIカルテ」は、オンライン資格確認と連携し、取得した資格情報や薬剤情報を診療の流れのなかで参照できる設計です。レセコン一体型のため、資格確認から記録、レセプト作成までを同じデータ基盤で扱えます。カードリーダーの切り替えにあわせた受付フローの見直しについても、お気軽にご相談ください。
おわりに
第2世代の顔認証付きカードリーダーは、スマホのマイナ保険証への単体対応、音声案内、認証精度の向上など、受付の「止まらない・迷わない」を目指した改善が中心です。第1世代の保守期限が順次到来するなか、補助金の申請期限も意識して、自院に合った機種を早めに検討することをおすすめします。
ポテックはAIカルテの提供を通じて、クリニックの皆様の最適な事業パートナーとして、医師や看護師・医事スタッフの働きやすさの改善はもちろん、クリニックとして実現したいことを最大限に叶えられるようサポートいたします。
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