コラム一覧に戻る
レセプト・算定10分で読める

医療情報取得加算の算定要件は?令和8年6月の廃止と電子的診療情報連携体制整備加算への移行

2026年10月31日

医療情報取得加算の算定要件は?令和8年6月の廃止と電子的診療情報連携体制整備加算への移行
この記事をシェア

この記事の要点

  • 医療情報取得加算は、令和8年度診療報酬改定で医療DX推進体制整備加算とともに廃止されました。令和8年6月1日から適用の医科点数表には、医療情報取得加算は置かれていません。
  • 改定前(令和6年12月〜)の医療情報取得加算は、マイナ保険証の利用の有無にかかわらず初診時1点、再診時1点(3月に1回)でした。
  • 後継の電子的診療情報連携体制整備加算は、初診時が月1回15点/9点/4点(加算1/2/3)、再診時が月1回2点です。地方厚生局長等への届出が必要で、旧加算を届け出ていても改めて届出が必要です。
  • 全区分共通で、オンライン請求、明細書の無償交付、オンライン資格確認、マイナ保険証利用率30%以上、院内掲示とウェブサイト掲載などが施設基準です。

「医療情報取得加算の算定要件を確認したい」「マイナ保険証で受け付けたときの点数は?」——レセプト点検や院内掲示の見直しで、今もよく調べられる加算です。ただし、医療情報取得加算は令和8年度診療報酬改定で廃止されています。本記事では、改定前の医療情報取得加算の点数・算定要件を確認したうえで、後継の電子的診療情報連携体制整備加算の点数・施設基準・届出・掲示を、令和8年の告示(厚生労働省告示第69号)、留意事項通知(保医発0305第6号)、施設基準通知(保医発0305第7号)、疑義解釈にもとづいて整理します。

免責:本記事は2026年10月31日時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。点数・算定要件・施設基準の取扱いは、厚生労働省の告示・通知・疑義解釈が正本です。算定・届出の最終判断は、必ず最新の原文と管轄の地方厚生局の取扱いでご確認ください。

結論:医療情報取得加算は令和8年6月から算定できない

項目内容
医療情報取得加算令和8年度改定で廃止(医療DX推進体制整備加算も同時に廃止)
後継の加算電子的診療情報連携体制整備加算(新設)
適用日令和8年6月1日(改定後の告示の適用日)
初診時月1回 15点/9点/4点(加算1/2/3)
再診時月1回 2点
届出必要。旧加算を届け出ていても改めて届出が必要

厚生労働省の令和8年度改定の個別改定事項では、「医療DX関連施策の進捗等を踏まえ、医療DX推進体制整備加算・医療情報取得加算を廃止し、マイナ保険証の利用、電子処方箋、電子カルテ共有サービス、サイバーセキュリティ対策等に係る新たな評価を新設する」と説明されています。令和8年6月1日から適用の医科点数表(告示第69号)の初診料・再診料には、医療情報取得加算は置かれていません。

改定前の医療情報取得加算(令和6年12月〜令和8年5月)

経緯を押さえておくと、旧加算と新加算の違いが理解しやすくなります。

点数

令和6年度改定で、医療情報取得加算は初診時・再診時ともに「マイナ保険証かどうか」で点数が分かれていました。その後、令和6年12月2日に現行の健康保険証の発行が終了することを踏まえ、令和6年12月からマイナ保険証の利用の有無にかかわらず1点に見直されました。

時期初診時再診時(3月に1回に限り)
令和6年6月〜11月加算1(現行の保険証の場合)3点/加算2(マイナ保険証の場合)1点加算3(現行の保険証の場合)2点/加算4(マイナ保険証の場合)1点
令和6年12月〜令和8年5月1点1点
令和8年6月〜廃止廃止

施設基準

改定前の医療情報取得加算の施設基準は次の3点でした。

  1. 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求(オンライン請求)を行っていること
  2. オンライン資格確認を行う体制を有していること
  3. 次の事項を、院内の見やすい場所及びウェブサイト等に掲示していること
    • オンライン資格確認を行う体制を有していること
    • 受診した患者に対し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行うこと

電子的診療情報連携体制整備加算の点数

区分告示上の位置点数回数
初診料A000 注16加算1:15点/加算2:9点/加算3:4点月1回
再診料A001 注192点月1回
外来診療料(一般病床200床以上の病院)A002 注102点月1回
入院(入院基本料等加算)A207-5加算1:160点/加算2:80点入院初日

留意事項通知では、この加算は「オンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報等を実際の診療に活用できる体制を有することを基本とし、電子処方箋、電子カルテ及び電子カルテ情報共有サービスの導入並びにサイバーセキュリティ対策の推進等、医療機関間で情報連携し質の高い医療を提供するための国等が進める医療DXに係る体制を評価するもの」とされています。

算定のルール

  • 初診と再診の重複不可:初診料の注16を算定した月に再診を行っても再診料の注19は算定できず、再診料の注19を算定した月に他疾患で初診を行っても初診料の注16は算定できません(疑義解釈その4 問4)
  • 明細書発行体制等加算とは併算定不可:電子的診療情報連携体制整備加算の届出を行った医療機関は、再診料の注11の明細書発行体制等加算(1点)を算定できません(告示・留意事項通知)
  • 患者ごとの資格確認方法による区別はない:告示上、届け出た医療機関を受診した患者に初診・再診を行った場合に算定する規定で、マイナ保険証・資格確認書など患者がどの方法で資格確認を受けたかで点数を分ける規定は置かれていません

施設基準(外来:初診料・再診料)

施設基準通知(保医発0305第7号)第1の8に定められています。

番号基準加算1加算2加算3
(1)オンライン請求を行っていること○○○
(2)詳細な明細書を患者に無償で交付していること○○○
(3)オンライン資格確認を行う体制を有していること(ポータルサイトで運用開始日を登録)○○○
(4)(5)算定月の3月前(または前月・前々月)のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率が30%以上○○○
(6)マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じる体制○○○
(7)(8)所定の事項を院内の見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトに掲載○○○
(9)電子処方箋を発行する体制(または調剤情報を電子処方箋管理サービスに登録する体制)○(9)〜(11)のいずれか—
(10)安全管理ガイドライン準拠・電子処方箋管理サービスと電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェースを有する電子カルテ、または厚生労働省が認証する電子カルテ製品○同上—
(11)電子カルテ情報共有サービスで取得される診療情報等を活用する体制、または一定の要件を満たす地域の医療情報連携ネットワークの活用○同上—

つまり、加算3は(1)〜(8)、加算2は(1)〜(8)+(9)〜(11)のいずれか、加算1は(1)〜(11)のすべてです。

疑義解釈で示された主な取扱いは次のとおりです。

  • 「電子処方箋を発行する体制」は、院外処方では原則として電子処方箋または引換番号付き紙処方箋を発行し処方情報を登録していること、院内処方では原則として調剤した薬剤の情報を電子処方箋管理サービスに登録していること(その4 問1)
  • 処方を行う医師全員が電子処方箋を発行できることが原則。ただし当面の間、常勤医師2名以上(常勤医師が1名のみの場合は1名以上)が発行できればよい(その7 問3)
  • 「厚生労働省が認証する電子カルテ製品」は、認証制度を検討中で追って示す予定(その6 問1)
  • (10)のウ(電子カルテ情報共有サービスとの接続インターフェース)は、施設基準通知で当面の間満たしているものとみなすとされています

掲示とウェブサイト掲載

(7)で院内の見やすい場所に掲示する事項は次の3つです。(8)で、これらは原則としてウェブサイトにも掲載します(自ら管理するホームページ等を有しない場合を除く)。

  1. 医師等が診療を実施する診察室等において、オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して診療を実施している保険医療機関であること
  2. マイナ保険証を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険医療機関であること
  3. 算定した診療報酬の区分・項目の名称及びその点数又は金額を記載した詳細な明細書を患者に無料で交付していること

旧・医療情報取得加算の掲示物(「オンライン資格確認を行う体制を有している」等)をそのまま使っている場合は、内容を見直してください。

届出

  • 様式:別添7の様式1の6
  • 旧加算からの引き継ぎはない:施設基準通知で、電子的診療情報連携体制整備加算は「新設された又は施設基準が創設された入院基本料等」(表1)に掲げられ、令和8年6月1日以降の算定に当たり届出が必要とされています。疑義解釈(その1 問3)でも、医療DX推進体制整備加算等を届け出ていた医療機関が新加算を算定するには改めて届出が必要とされています
  • 再診分の追加届出は不要:初診料の注16の届出を行っていれば、再診料の注19・外来診療料の注10の追加の届出は不要です(その5 問1)
  • 届出不要の基準:マイナ保険証利用率((4))と健康管理に係る相談体制((6))は、満たしていればよく、届出は不要です(施設基準通知)
  • 利用率を満たさなくなった場合:辞退の届出は不要ですが、その間は算定できません(その12 問3)
  • 上位区分への変更:加算2・3から加算1・2を算定したい場合は、辞退の届出は不要ですが改めて届出が必要です(その12 問2)
  • 算定開始月:各月の末日までに要件審査を終え届出が受理された場合は翌月1日から、月の最初の開庁日に受理された場合はその月の1日から算定します(施設基準通知)

医療DX推進体制整備加算・救急時医療情報取得加算との違い

加算令和8年6月以降概要
医療情報取得加算廃止オンライン資格確認等で診療情報を取得・活用する体制の評価(初診1点・再診1点)
医療DX推進体制整備加算廃止初診時の医療DX体制の評価(改定前の医科:加算1〜6で12点〜8点)
電子的診療情報連携体制整備加算新設上の2つを再編。初診15点/9点/4点、再診2点
救急時医療情報取得加算新設救急外来医学管理料(B001-2-6)の注5。届出医療機関で、意識障害の患者に救急時医療情報閲覧機能と電子処方箋の仕組みを用いて診療情報を取得した場合に月1回50点

名前が似ている救急時医療情報取得加算は、医療情報取得加算の後継ではなく、救急外来での意識障害患者を対象とした別の加算です。医療DX関連加算の再編の全体像は 2026年改定で変わる医療DX関連加算 で解説しています。

レセプト・レセコンで確認すること

  • 令和8年6月診療分以降、旧「医療情報取得加算」が自動算定されていないか(レセコンのセット・自動算定設定)
  • 届出が受理された区分(加算1/2/3)と、レセコンで算定している区分が一致しているか
  • 同一患者で、同じ月に初診の注16と再診の注19が重複していないか
  • 明細書発行体制等加算が残っていないか
  • マイナ保険証利用率が30%を下回った月に算定していないか

チェックリスト

  • 電子的診療情報連携体制整備加算の届出(様式1の6)が受理されている
  • 算定区分(加算1/2/3)が施設基準と一致している
  • 毎月、算定月の3月前(または前月・前々月)のマイナ保険証利用率を確認している
  • 院内掲示とウェブサイトの掲載内容を新加算の3項目に更新した
  • 旧・医療情報取得加算の自動算定設定を削除した
  • 明細書発行体制等加算を算定していない

まとめ

  • 医療情報取得加算は令和8年度改定で廃止され、令和8年6月1日から適用の医科点数表には置かれていない
  • 改定前(令和6年12月〜)は**初診1点、再診1点(3月に1回)**で、マイナ保険証の利用の有無は問わなかった
  • 後継の電子的診療情報連携体制整備加算は初診月1回15点/9点/4点、再診月1回2点
  • 施設基準はオンライン請求・明細書無償交付・オンライン資格確認・マイナ保険証利用率30%以上・相談体制・掲示とウェブ掲載が共通。上位区分は電子処方箋や電子カルテの要件が加わる
  • 旧加算を届け出ていても改めて届出が必要。レセコンの旧加算の設定も見直す

初診料・再診料のほかの加算は 初診料の加算一覧 と 再診料の加算一覧、マイナ保険証への対応は マイナ保険証への移行と電子カルテ対応 と 第2世代の顔認証付きカードリーダーとは、電子処方箋は 電子処方箋の導入、安全管理ガイドラインは 医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとは を参照してください。

ポテックでは、算定要件を反映したクリニック向けのAI電子カルテとレセプトチェック機能を提供しています。改定後の加算の設定見直しなどでご不明な点があれば、お気軽に お問い合わせ ください。

よくある質問

Q. 医療情報取得加算は今も算定できますか?
A. 算定できません。令和8年度診療報酬改定で医療情報取得加算は廃止され、令和8年6月1日から適用の医科点数表には置かれていません。後継として電子的診療情報連携体制整備加算が新設されています。
Q. 改定前の医療情報取得加算の点数と算定要件は?
A. 令和6年12月以降は、マイナ保険証の利用の有無にかかわらず、初診時1点、再診時1点(3月に1回に限り)でした。施設基準は、オンライン請求を行っていること、オンライン資格確認を行う体制を有していること、所定の事項を院内の見やすい場所及びウェブサイト等に掲示していることでした。
Q. 電子的診療情報連携体制整備加算の点数は?
A. 初診料の注16で、加算1が15点、加算2が9点、加算3が4点(いずれも月1回)です。再診料の注19と外来診療料の注10は月1回2点です。
Q. 旧加算を届け出ていれば、新加算の届出は不要ですか?
A. 改めて届出が必要です。施設基準通知で電子的診療情報連携体制整備加算は「新設された入院基本料等」に掲げられ、令和8年6月1日以降の算定に当たり届出が必要とされています。初診分の届出をしていれば、再診分の追加の届出は不要です。
Q. マイナ保険証を使わなかった患者にも算定できますか?
A. 告示上、患者ごとに資格確認の方法で算定可否を区別する規定は置かれていません。施設基準として、医療機関全体のレセプト件数ベースマイナ保険証利用率が30%以上であることが求められます。
Q. 初診で算定した月に再診があった場合、再診の加算も算定できますか?
A. 算定できません。疑義解釈(その4)で、初診料の注16を算定した月の再診での算定、再診料の注19を算定した月の他疾患での初診での算定は、いずれも不可とされています。
この記事をシェア

関連記事

レセプト・算定

再診料の加算一覧|令和8年の点数・外来管理加算の算定要件・併算定ルール(診療所向け)

再診料76点に加算できる乳幼児・時間外・外来管理加算52点・時間外対応体制・地域包括診療・感染対策・電子的診療情報連携などを、告示と留意事項通知で一覧にし、併算定の可否と電話再診の扱いを整理します。

2026年10月21日
レセプト・算定

初診料の加算一覧|令和8年の点数・算定要件・併算定ルール(診療所向け)

初診料291点に加算できる乳幼児・時間外・夜間早朝・機能強化・外来感染対策向上・電子的診療情報連携などの加算を、告示と留意事項通知で一覧にし、併算定の可否と診療所で使う加算を整理します。

2026年10月20日
レセプト・算定

2026年改定で変わる医療DX関連加算|医療DX推進体制整備加算の廃止と再編

令和8年度改定で、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算は廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算へ統合・再編されました。令和8年5月31日で旧加算が終了し、6月1日から新加算の算定が始まっています。旧加算を届け出ていても改めて届出が必要な点を含め、変更内容と対応を整理します。

2026年8月11日
医療情報セキュリティ

医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとは|第7.0版の構成と要点

2026年度診療報酬改定で、電子的診療情報連携体制整備加算の要件に「医療情報システムの安全管理に関するガイドラインへの準拠」が入りました。セキュリティ対策は算定要件になっています。2026年6月に策定された第7.0版の5編構成(保守委託機関編の新設)、誰がどの編を読むのか、対象範囲が規模を問わないこと、第6.0版からの変更点まで、医療機関が最初に押さえるべき点を整理します。

2026年9月14日
電子カルテ

マイナ保険証への移行と電子カルテ対応|2026年改定のポイント

健康保険証の廃止に伴うマイナ保険証への移行と、電子カルテ・レセコン側で必要な対応を、移行スケジュール・資格確認書・オンライン資格確認のネットワークセキュリティ・2026年改定まで、公式情報とともに専門的に整理します。

2026年7月3日
レセプト・算定

在宅自己注射指導管理料の算定要件|点数・導入初期加算・対象薬・令和8年の変更点

在宅自己注射指導管理料(C101)の点数(月27回以下650点・28回以上750点)、導入初期加算、対象注射薬、併算定の注意点、令和8年改定の変更点を告示・通知の原文で整理します。

2026年10月31日
AIカルテ

AIカルテを見る

受付から診療記録、会計、レセプト、経営分析までを一つの循環でつなぐAIネイティブ電子カルテ。

製品ページを見る

AIカルテという選択肢

記事でご紹介した課題の多くは、診療所向けAIネイティブ電子カルテ「AIカルテ」で扱えます。まずはどんな製品かご覧ください。