経営トレンド一覧に戻る
内科系8分で読める一般診療所数 2,625施設

脳神経内科の2026年度診療報酬改定 — 認知症診療がかかりつけ医機能の本流へ

認知症地域包括診療料・加算が一般の地域包括診療料・加算に統合され、認知症は「特別枠」から「かかりつけ医機能の本流」へ位置づけ直されました。遠隔連携診療料は900点に一本化され、対象が医療的ケア児等へ拡大、訪問診療・入院でも算定可能になっています。

2026年7月30日

この記事をシェア

脳神経内科における今回の改定の本質は、「認知症を特別枠から、かかりつけ医機能の本流へ」という位置づけの変更です。

認知症地域包括診療料・加算は一般の地域包括診療料・加算に統合され、認知症患者等の区分として存置される形になりました。同時に、専門医が地域のかかりつけ医と共同で診療するハブ機能——遠隔連携診療料——が大幅に拡充されています。

1. 主な変更点

項目変更内容新旧点数影響度
認知症地域包括診療料・加算の統合一般の地域包括診療料・加算に統合(認知症患者等の区分として存置)。かかりつけ医機能評価の枠組みへ一本化診療料(認知症患者等)1,681→1,682点等、加算38/31点は据え置き(要一次確認)
遠隔連携診療料の大幅拡大(D to P with D)指定難病・てんかんに加え医療的ケア児(者)等へ対象拡大。外来のみ→訪問診療・入院でも算定可能に。点数を一本化診断目的750点/その他500点 → 一律900点(3月に1回)(要一次確認)
認知症ケア加算(入院)の見直し全区分増点。身体的拘束実施日の減算を100分の40→100分の20へ強化加算1(14日以内)180→186点、加算2 112→115点、加算3 44→47点(要一次確認)
難病外来指導管理料当該管理料自体の点数・要件の大きな変更は確認できず270点(据え置きとみられる・要一次確認)
頭痛関連頭痛診療に特有の新設・増点は確認できず(共通事項の影響が中心)

2. 経営インパクトと対応

外来では、統合後の届出区分と算定要件の確認が最優先です。 認知症地域包括診療料等が一般の枠組みに統合されたことで、認知症と生活習慣病を併存する患者の算定ルートを再設計する必要があります。地域包括診療加算の対象疾患には慢性心不全・慢性腎臓病等も追加され、「1疾患+要介護」で算定可能な類型も新設されました。

遠隔連携診療料の900点への引き上げと対象・場面の拡大は、専門性の高い脳神経内科クリニックにとって明確な追い風です。 従来は診断目的750点/その他500点で外来のみでしたが、一律900点となり、訪問診療・入院でも算定できるようになりました。対象も指定難病・てんかんに加えて医療的ケア児(者)等へ広がっています。3か月に1回という頻度ではありますが、難病・てんかんの専門医が地域のかかりつけ医と共同診療するハブ機能が、そのまま収益になる構造です。大学病院・難病拠点との連携ネットワーク構築が差別化につながります。

病院勤務系では、認知症ケア加算の増点と引き換えに身体的拘束の減算が強化されました。 拘束実施日の算定が100分の40から100分の20へ——つまり2割算定まで下がります。拘束最小化委員会の運用と代替ケア手順の整備が、そのまま収益防衛策になります。

3. 実務チェックリスト

  • 認知症地域包括診療料・加算の統合に伴う届出区分を確認したか
  • 認知症+生活習慣病の併存患者について、算定ルートを再設計したか
  • 遠隔連携診療料の連携先(大学病院・難病拠点等)と実施体制を整備したか
  • 遠隔連携診療料を訪問診療・入院でも算定できる体制になっているか
  • (病院)身体的拘束の実施日数と代替ケア手順を管理できているか

4. AIカルテはこの改定にどう効くか — 機能単位で見る

この科の2026年は、「自院で完結する診療」よりも「地域のなかでどう連携したか」が評価される年になりました。ポテックのAIカルテがどう支えるのか、機能ごとにご紹介します。

機能1:外部連携・API — 遠隔連携診療料を実務として回す

OAuth2ゲートウェイ、MCPサーバー、HAPI FHIRに対応し、外部システムと連携できます。

遠隔連携診療料は、かかりつけ医と専門医のあいだで患者情報をやり取りできて初めて成立する算定です。900点への引き上げと訪問診療・入院への拡大は機会の拡大ですが、そのたびに紹介状・画像・検査結果を手作業で集めていては回りません。標準規格(HL7 FHIR)で情報を送受信できる基盤が、そのまま連携件数の上限を決めます。

機能2:会計・レセプト管理 — 統合後の算定ルートを判定する

自動算定エンジンが包括・背反・回数制限をチェックし、加算の算定可否を自動判定します。

認知症地域包括診療料が一般の枠組みに統合されたことで、「この患者はどの区分で算定するのが正しいか」の判断が複雑になりました。 認知症、生活習慣病、要介護状態の組み合わせによって算定できる項目が変わります。遠隔連携診療料の「3か月に1回」という頻度制限も同様です。算定ロジックがシステム側にある状態が、返戻を防ぎます。

機能3:AIアシスタント — 長期の経過を要約する

診断提案・鑑別診断に加え、検査値のトレンド要約、患者向け説明文のパーソナライズを行います。

認知症・パーキンソン病・難病は、年単位でゆっくり変化する経過を追う診療です。専門医との遠隔連携の場では、限られた時間で経過を共有する必要があります。「この6か月で何が変化したか」を要約できることは、連携の質と、かかりつけ医側への説明の質の両方を上げます。

全科共通事項もあわせてご確認ください

初再診料、物価対応料、ベースアップ評価料、電子的診療情報連携体制整備加算などの共通変更点は「全科共通事項」にまとめています。

出典(主要)

この診療科の経営トレンドを読む脳神経内科クリニックの経営トレンド2026 — MRI×専門外来×自費脳ドックの三位一体
この記事をシェア

本記事の位置づけ本記事の点数・加算・改定内容・費用相場は、コンサルティング会社・税理士法人・各医療機関の公表資料等の二次情報を基に整理したものです。実際の算定・届出・投資判断にあたっては、厚生労働省の告示・通知等の一次情報を必ずご確認ください。

AIカルテに関するお問い合わせはこちら

診療所向けAIネイティブ電子カルテ「AIカルテ」について、主な機能・料金プラン・導入までの流れなど、お気軽にご相談ください。デモのご依頼も承ります。

脳神経内科の2026年度診療報酬改定 — 認知症診療がかかりつけ医機能の本流へ | 株式会社ポテック