「算定できたはずの項目を取りこぼしていた」——算定漏れは、返戻や査定のように連絡が来るわけではないため気づきにくく、日々の診療のなかで静かに収益を削り続けます。1件あたりは数十点でも、積み重なれば年間で無視できない金額になります。本記事では、算定漏れがなぜ起こるのかを原因別に整理し、防止のためのチェックリストと、仕組みで取りこぼしを防ぐ方法を解説します。
算定漏れとは何か——返戻・査定との違い
算定漏れとは、実際に行った診療行為に対して、算定できるはずの点数を請求し損ねることを指します。返戻(請求内容の不備で差し戻されること)や査定(審査機関による減点)とは異なり、外部から指摘されません。誰も気づかないまま収益だけが失われるのが、算定漏れのやっかいなところです。
裏を返せば、算定漏れは「院内の運用」で防げる余地が大きい領域でもあります。まずは原因を知ることが第一歩です。
算定漏れが起こる主な原因
算定漏れの原因は、大きく次の4つに分類できます。
1. 知識・情報のギャップ
- 診療報酬の算定ルールが複雑で、算定できる加算を把握しきれていない
- 診療報酬改定で新設・変更された項目に対応できていない
- スタッフ間で知識にばらつきがあり、点検の精度が人によって異なる
2. 記録と算定の分断
- 医師のカルテ記載と、医事の算定入力が別作業になっている
- カルテには書いてあるのに、算定に反映されないまま会計が確定する
- 電子カルテとレセコンが分離しており、転記の過程で項目が抜け落ちる
3. 算定要件・タイミングの見落とし
- 管理料や指導料など、算定に「要件」や「実施記録」が必要な項目の失念
- 算定できる回数・期間・併算定のルールを満たしているのに算定していない
- 月をまたぐ処置・指導で、締めのタイミングに取りこぼす
4. 繁忙による確認不足
- 患者数が多い日や繁忙期に、確認の時間が取れない
- レセプト点検が月末に集中し、一件ずつ精査しきれない
算定漏れ防止チェックリスト
日々の運用に組み込める、実務的なチェックリストを挙げます。
- カルテに記載された診療行為が、すべて算定に反映されているか
- 算定要件のある管理料・指導料について、記録・同意・計画書がそろっているか
- 加算(時間外・乳幼児・処置加算など)の算定条件を満たしていないか
- 検査・処置・投薬のオーダーが算定と一致しているか
- 前回算定した継続項目(管理料など)が今回抜けていないか
- 改定で新設・変更された項目に対応できているか
- 月次のレセプト点検を、締め直前だけでなく日次でも実施しているか
このチェックを「人の記憶と注意力」だけに頼ると、繁忙期に必ず綻びが出ます。重要なのは、チェックを仕組みとして自動化することです。
仕組みで防ぐ——電子カルテとレセチェックの活用
算定漏れ対策の本質は、「記録した診療内容を、そのまま漏れなく算定につなげる」ことにあります。ここで有効なのが、レセコン一体型の電子カルテと、AIによるレセチェックです。
ポテックが開発する「AIカルテ」は、電子カルテとレセコン(レセプトコンピュータ)が一体になっており、医師がカルテに記録した診療内容がそのまま算定データに連動します。転記による抜け落ちが原理的に発生しません。さらに、AIによるレセチェック機能が、診療記録から算定可能な項目を提案し、算定漏れや過誤請求を会計前・請求前に検知します。
加えて、診療報酬改定にあわせてシステムが自動的にアップデートされるため、改定で新設・変更された項目の対応漏れも防ぎやすくなります。人の注意力に依存していた点検を、システムが常時サポートする体制へと移行できるのです。
なお、加算や管理料の具体的な点数・算定要件は改定のたびに見直されます。最新の要件は、厚生労働省が公表する診療報酬改定の資料で必ず確認してください。
おわりに
算定漏れは、誰にも指摘されないまま収益を削る「見えないロス」です。原因を知り、チェックリストで運用を点検し、最終的には記録から算定までを一気通貫でつなぐ仕組みへ移行することが、確実な防止策になります。
ポテックはAIカルテの提供を通じて、クリニックの皆様の最適な事業パートナーとして、医師や看護師・医事スタッフの働きやすさの改善はもちろん、クリニックとして実現したいことを最大限に叶えられるようサポートいたします。
詳細については、ぜひお問い合わせください。
参考・出典
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html
