コラム一覧に戻る
レセプト・算定9分で読める

診療報酬改定2026 クリニックが押さえるべき変更点と対応策

2026年8月11日

診療報酬改定2026 クリニックが押さえるべき変更点と対応策
この記事をシェア

2年に一度の診療報酬改定は、クリニックの収益と実務に直結する重要なイベントです。2026年度(令和8年度)の診療報酬改定は、医療従事者の賃上げ支援や物価高騰への対応、そして医療DXの推進が大きな柱となりました。本記事では、診療報酬改定2026がクリニックに与える影響の全体像と、実務上の対応策を、厚生労働省の公式資料をもとに解説します。なお、具体的な点数や要件は改定告示・通知で定められるため、必ず一次情報で確認してください。

診療報酬改定2026の全体像

厚生労働省の資料によれば、令和8年度診療報酬改定は、診療報酬本体をプラス改定とする一方で薬価等を引き下げる構成となっています。改定の大きな特徴は、従来のような制度の見直しが中心ではなく、医療従事者の賃上げ支援と物価高騰への対応が改定の大部分を占める点にあります。人件費や物価の上昇という足元の経営環境への対応が、今回の改定の基調です。

改定の施行時期や具体的な改定率は厚生労働省が公式に公表しています。正確な数値は、後掲の厚労省「令和8年度診療報酬改定について」で確認してください。

クリニックが押さえるべき主な変更点

改定の柱は多岐にわたりますが、外来を中心とするクリニックが特に押さえるべきポイントを整理します。

以下は報道・解説されている内容をもとにした整理です。点数・要件の具体値は必ず告示・通知でご確認ください。

1. 医療DX関連加算の抜本的な再編

今回の改定でクリニックへの影響がもっとも大きい変更です。

医療情報取得加算医療DX推進体制整備加算廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算へ統合・再編されました。旧加算は令和8年5月31日をもって廃止され、新加算は令和8年6月1日から算定開始となっています。

旧加算を届け出ていても、新加算を算定するには改めて届出が必要です。自動的には移行されません。施設基準は電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスへの対応状況に応じて区分されます。

詳細は 2026年改定で変わる医療DX関連加算|医療DX推進体制整備加算の廃止と再編 で扱っています。

2. 生活習慣病管理料の見直し

内科クリニックに直接効く変更です。

  • 療養計画書への患者の署名が不要になりました。ただし、なくなったのは署名欄と署名を取得する行為だけで、計画書の作成・患者への説明・交付は引き続き必要です
  • 糖尿病患者の眼科・歯科への受診連携を評価する加算が新設されました
  • 外来データに基づく管理を評価する充実管理加算が新設されました
  • 包括範囲の見直しや検査に関する要件の追加も行われています

署名の運用変更は 療養計画書をカルテから自動作成、制度の経緯は 2024年改定で何が変わった?特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料へのシフト対応 で扱っています。

3. 賃上げ・処遇改善への対応

外来・在宅ベースアップ評価料が引き上げられ、あわせて対象職種が拡大されました。従来は主として医療に従事する職員が対象でしたが、当該保険医療機関に勤務する職員へと広がり、事務職員も含まれる形になっています。

算定には届出と要件があるため、自院が対象となるか、届出が必要かを必ず確認してください。

4. 外来医療の機能分化

  • 大病院からの紹介患者を診療所や200床未満の病院が初診で受け入れた場合を評価する紹介患者受入加算が新設されました
  • 特定機能病院等の逆紹介割合の基準が引き上げられ、機能分化がより強く促される構成になっています
  • 機能強化加算の要件も厳格化されています

地域の大病院との連携がある診療所では、紹介・逆紹介の運用を見直す機会になります。

5. 長期収載品の選定療養の負担引き上げ

患者が医療上の必要性なく先発品を希望した場合の「特別の料金」が、後発品との薬価差の4分の1から2分の1相当へ引き上げられました(令和8年6月1日から)。窓口での説明と院内掲示の見直しが必要です。

選定療養の位置づけは 保険診療と自由診療の会計を分ける実務 で扱っています。

6. 物価高騰への対応

物価上昇を踏まえた対応も改定に織り込まれています。日々のコスト構造への影響を、経営の視点で把握しておく必要があります。

クリニックが取るべき実務上の対応策

改定に確実に対応するために、次のステップを踏むことをおすすめします。

  1. 厚労省の一次情報を確認する:改定内容は告示・通知・説明資料で示されます。伝聞ではなく公式資料で確認します
  2. 自院に関係する項目を洗い出す:診療科・算定している項目に照らし、影響を受ける点数・加算を特定します
  3. 届出が必要な項目を確認する:新設・変更された評価料には届出が必要なものがあります。期限を含めて確認します
  4. システムの改定対応を確認する:電子カルテ・レセコンが改定に対応しているか、更新方法・時期を確認します
  5. 算定漏れ・請求誤りを点検する:改定直後は算定ミスが起きやすい時期です。点検体制を強化します

特に重要なのが、4と5です。改定のたびに手動でシステムを更新したり、変更点を一つずつスタッフが覚えたりする運用は、算定漏れや請求誤りの温床になります。

AIカルテによる改定対応

ポテックが開発する「AIカルテ」は、レセコン一体型のクラウド電子カルテで、診療報酬改定にあわせてシステムが自動的にアップデートされます。クリニック側で手動更新を行う必要がなく、改定対応の手間とミスのリスクを大幅に軽減できます。

さらに、AIによるレセチェック機能が、改定後の算定ルールに沿って算定漏れや過誤請求を事前に検知します。改定直後の混乱しやすい時期でも、システムが算定を常時サポートするため、収益の取りこぼしと返戻のリスクを抑えられます。オンライン資格確認や電子処方箋、電子カルテ情報共有サービスといった医療DX関連の体制づくりも一体的に支援します。

おわりに

診療報酬改定2026は、賃上げ・物価対応と医療DX推進を柱とする改定です。クリニックが取るべき対応は、公式資料での確認、自院への影響の特定、届出、そしてシステムと点検体制の整備に集約されます。改定対応の負担を減らし、算定漏れを防ぐには、改定に自動対応する仕組みが有効です。

ポテックはAIカルテの提供を通じて、クリニックの皆様の最適な事業パートナーとして、医師や看護師・医事スタッフの働きやすさの改善はもちろん、クリニックとして実現したいことを最大限に叶えられるようサポートいたします。

詳細については、ぜひお問い合わせください。

参考・出典

この記事をシェア

関連記事

レセプト・算定

2026年改定で変わる医療DX関連加算|医療DX推進体制整備加算の廃止と再編

令和8年度改定で、医療DX推進体制整備加算と医療情報取得加算は廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算へ統合・再編されました。令和8年5月31日で旧加算が終了し、6月1日から新加算の算定が始まっています。旧加算を届け出ていても改めて届出が必要な点を含め、変更内容と対応を整理します。

2026年8月11日
レセプト・算定

クリニックのキャッシュレス決済導入ガイド|手数料・入金サイクル・会計連携で選ぶ

クリニックでもキャッシュレス決済は当たり前になりつつあります。しかし決済サービスを手数料率だけで選ぶと、入金サイクルによる資金繰りの変化や、会計との二重入力といった見落としが生じます。決済手段の種類、選定の3つの軸、電子カルテとの連携で見るべき点を実務目線で整理します。

2026年8月10日
レセプト・算定

保険診療と自由診療の会計を分ける実務|混合診療のルールと運用設計

自費メニューを持つクリニックが必ず直面するのが、保険診療と自由診療をどう分けるかという問題です。混合診療が原則禁止される仕組み、例外となる保険外併用療養費制度の3類型、同日に両方を行うときの実務、領収書と記録の分け方、そしてシステムに求められる「分けつつつなぐ」要件を整理します。

2026年8月10日
レセプト・算定

回数券・コース契約の会計処理|前受金管理と電子カルテでの扱い方

自費メニューで回数券やコース契約を扱うと、入金と役務提供のタイミングがずれます。販売時は前受金、消化時に売上という基本から、消費税の課税時期、未消化分・中途解約の扱い、美容医療で問題になる特定商取引法まで、管理すべき論点を実務目線で整理します。

2026年8月10日
AIカルテ

AIカルテを見る

受付から診療記録、会計、レセプト、経営分析までを一つの循環でつなぐAIネイティブ電子カルテ。

製品ページを見る

AIカルテという選択肢

記事でご紹介した課題の多くは、診療所向けAIネイティブ電子カルテ「AIカルテ」で扱えます。まずはどんな製品かご覧ください。

診療報酬改定2026 クリニックが押さえるべき変更点と対応策