この記事の要点
- レセコン(レセプトコンピュータ)とは、診療内容から診療報酬(点数)を計算し、窓口会計とレセプト(診療報酬明細書)の作成・請求を行うシステムです。
- 主な機能は、患者・保険情報の登録、診療行為の入力と点数計算、領収書・明細書の発行、レセプト作成と点検、オンライン請求と返戻再請求です。
- 種類は、提供形態(クラウド型・オンプレミス型)と、電子カルテとの構成(一体型・分離型)の2つの軸で分けられます。
- 診療報酬改定・薬価改定のたびに更新が必要なため、選定時は改定対応の提供方法(自動更新か、追加費用の有無)を確認します。
クリニックの業務システムを検討していると、必ず出てくるのが「レセコン」という言葉です。何をするシステムなのか、電子カルテとどう関係するのか——初めて導入を考える院長にとっては、意外とわかりにくいポイントです。本記事では、レセコン(レセプトコンピュータ)とは何かを基礎から整理し、主な機能、種類、選ぶときの確認点を解説します。
レセコン(レセプトコンピュータ)とは
レセコン(レセプトコンピュータ)とは、診療内容をもとに診療報酬(点数)を計算し、レセプト(診療報酬明細書)を作成して審査支払機関へ請求するためのシステムです。 患者ごとの窓口会計の計算も担います。クリニックの収入に直結する、いわば「会計・請求の心臓部」といえる存在です。
診療報酬は複雑なルールで点数化されており、これを手計算で正確に行うのは現実的ではありません。保険医療機関は電子レセプトをオンラインで診療翌月の10日までに審査支払機関へ提出するため、算定から請求データの作成までを正確に処理するレセコンは欠かせないシステムです。
レセコンの主な機能
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 患者・保険情報の管理 | 患者登録、保険者番号・記号番号・公費などの資格情報の管理 |
| 診療行為の入力と点数計算 | 診療行為・薬剤・材料を入力し、点数表とマスタに基づいて点数を計算 |
| 窓口会計 | 一部負担金の計算、領収書・明細書の発行 |
| レセプト作成・点検 | 月ごとにレセプトを作成し、記載漏れや算定誤りをチェック |
| 請求 | オンライン請求用の電子レセプトを作成・送信 |
| 返戻再請求 | 返戻ファイルを取り込み、修正して再請求 |
| マスタ・改定対応 | 診療報酬改定・薬価改定にあわせて点数・薬価マスタを更新 |
なお、オンライン請求の医療機関では返戻再請求も原則オンラインで行うため、厚生労働省は、レセコンがオンラインの返戻再請求に対応しているかをベンダーに確認するよう案内しています。
レセコンの種類
レセコンは、大きく2つの軸で分けられます。
1. 提供形態:クラウド型とオンプレミス型
- クラウド型:インターネット経由で利用する。院内サーバーが不要で、システムの更新は提供側で行われる
- オンプレミス型:院内にサーバーを設置して利用する。院内で完結する一方、機器の保守や更新を自院で管理する必要がある
2. 電子カルテとの構成:一体型と分離型
- 一体型(オールインワン型):電子カルテとレセコンが1つの製品に統合され、カルテの記録がそのまま算定に連動する
- 分離型(連携型):電子カルテとレセコンを別々の製品として導入し、連携させて使う。日本医師会ORCA管理機構の日医標準レセプトソフト(ORCA)のように、レセコン単体で提供される製品と組み合わせる例が代表的
電子カルテとの違いや、一体型と分離型のメリット・デメリットの詳しい比較は レセコンと電子カルテの違いとは?一体型・分離型の比較と選び方 で解説しています。
電子カルテとの関係
ひとことで言えば、電子カルテは「診療を記録する道具」、レセコンは「記録をお金に換える道具」です。電子カルテは主に医師・看護師が、レセコンは主に医事スタッフが使い、両者が連携して初めて、診療から会計・請求までの一連の流れが完成します。
レセコンを選ぶときの確認点
- 二重入力が発生しないか:カルテの内容が算定に自動で連動するか(一体型が有利)
- 改定対応の提供方法:診療報酬改定・薬価改定のたびに更新が必要です。改定内容は厚生労働省が公表するため、選定時には「改定対応がどのように提供されるか(自動更新か、手動作業か、追加費用の有無)」を必ず確認します
- オンライン請求・返戻再請求への対応:オンラインでの請求と返戻再請求に対応しているか
- サポート窓口:不具合時の問い合わせ先が一本化されているか
近年は、クラウド型の一体型製品が主流になりつつあります。特に新規開業のクリニックでは、二重入力の負担がなく、サポートと改定対応を一本化できる一体型が有力な選択肢です。一方で、すでに特定の診療科向けレセコンを長く使い、スタッフが習熟している場合などは、分離型を継続する合理性もあります。
AIカルテという選択肢
ポテックが開発する「AIカルテ」は、電子カルテとレセコンが一体になったレセコン一体型のクラウド電子カルテです。医師がカルテに記録した診療内容がそのまま算定データに連動するため、二重入力が発生しません。診療報酬改定にあわせてシステムが自動的にアップデートされるため、クリニック側での手動更新も不要です。
さらに、AIによるレセチェック機能が算定漏れや過誤請求を事前に検知し、医療DX関連の加算に必要な体制づくりも一体的に支援します。カルテと算定のデータが同一基盤にあることで、AIが診療内容と算定ルールの両方を理解した提案を行える点が、一体型ならではの強みです。
おわりに
レセコンは、診療報酬の計算から会計、レセプト請求までを担うクリニックの収入の心臓部です。機能と種類を押さえたうえで、二重入力の有無、改定対応、オンライン請求への対応を確認して選ぶことが、日々の業務負担と収益に直結します。
ポテックはAIカルテの提供を通じて、クリニックの皆様の最適な事業パートナーとして、医師や看護師・医事スタッフの働きやすさの改善はもちろん、クリニックとして実現したいことを最大限に叶えられるようサポートいたします。
詳細については、ぜひお問い合わせください。
よくある質問
- Q. レセコンとは何ですか?
- A. レセコン(レセプトコンピュータ)は、診療内容をもとに診療報酬(点数)を計算し、レセプト(診療報酬明細書)を作成して審査支払機関へ請求するためのシステムです。患者ごとの窓口会計の計算も担う、クリニックの会計・請求の中心となるシステムです。
- Q. レセコンの主な機能は何ですか?
- A. 患者情報・保険資格の登録、診療行為や薬剤の入力と点数計算、一部負担金の計算と領収書・明細書の発行、月次のレセプト作成と点検、オンライン請求、返戻されたレセプトの再請求などです。
- Q. レセコンにはどんな種類がありますか?
- A. 提供形態ではクラウド型とオンプレミス(院内設置)型、電子カルテとの構成ではレセコン一体型と分離型に分けられます。日本医師会ORCA管理機構の日医標準レセプトソフト(ORCA)のように、レセコン単体で提供される製品もあります。
- Q. レセコンと電子カルテの違いは何ですか?
- A. 電子カルテは診療内容を記録するシステムで主に医師・看護師が使い、レセコンは診療報酬の計算・会計・請求を行うシステムで主に医事スタッフが使います。
参考・出典
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(旧 社会保険診療報酬支払基金)「審査・支払業務の流れ」 https://www.hpdx.or.jp/shinryohoshu/gyomuflow/index.html
- 厚生労働省「返戻再請求のオンライン化についてのご案内」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001281172.pdf
- 日本医師会ORCA管理機構「ORCA Project」 https://www.orca.med.or.jp/