経営トレンド一覧に戻る
小児・精神・免疫8分で読める一般診療所数 17,778施設

小児科の2026年度診療報酬改定 — 点数は据え置き、問われるのは相談機能の実体

小児科外来診療料・小児かかりつけ診療料とも、本体は初診据え置き・再診+1点にとどまりました。一方で小児かかりつけ診療料の算定要件に「発達障害の疑いへの相談対応・専門機関への紹介」「育児不安等への適切な対応」が明記され、記録の実体が問われる改定になっています。

2026年7月30日

この記事をシェア

小児科の今回の改定は、点数面ではほぼ据え置きです。小児科外来診療料も小児かかりつけ診療料も、初診は据え置き、再診が再診料の引き上げに連動して+1点。増収余地は共通事項(外来・在宅物価対応料、ベースアップ評価料)側に依存します。

変わったのは点数ではなく、算定要件として何を求められるかです。小児かかりつけ診療料に「発達障害の疑いがある患者への相談対応・専門機関への紹介」「育児不安等への適切な対応」がかかりつけ機能として明記されました。

1. 主な変更点

項目変更内容新旧点数影響度
小児科外来診療料(B001-2)本体は初診据え置き。再診時の包括点数が+1点(再診料引き上げの反映)。算定除外(パリビズマブ・ニルセビマブ投与中等)は継続初診:処方箋交付604点/交付なし721点(据え置き)。再診:処方箋交付410→411点、交付なし528→529点(要一次確認)
小児かかりつけ診療料(B001-2-11)本体は初診据え置き・再診+1点。算定要件に「発達障害の疑いがある患者への相談対応・専門機関への紹介」「育児不安等への適切な対応」を明記。発達障害・虐待に関する研修修了は「望ましい」と位置づけ診療料1:初診652/769点(据え置き)、再診458→459点/576→577点。診療料2:初診641/758点、再診447→448点/565→566点(要一次確認)
小児特定疾患カウンセリング料(B001-4)令和6年度に再編された体系を維持。当該科特有の大きな変更は確認できず医師:初回800点、1年以内600/500点、2年以内500/400点、4年以内400点、公認心理師200点(据え置き・要一次確認)
時間外・休日・深夜対応小児科特例自体の特有の変更は確認できず。小児かかりつけ診療料の施設基準として時間外対応加算1/3(診療料1)、2/4または初期小児救急への年6回以上参加(診療料2)が引き続き要求される
発達障害関連小児科単独の新設点数は確認できず。児童思春期関連の新評価は精神科側(通院・在宅精神療法の児童思春期支援指導加算2新設等・精神科標榜が前提)に置かれた

2. 経営インパクトと対応

特有項目での増収インパクトは限定的です。したがって、共通事項の取り切りが実質的な増収策になります。小児科は再診の回転が速く患者数も多いため、再診時の物価対応料2点・ベースアップ評価料4〜6点の積み上がりは決して小さくありません。

一方、小児かかりつけ診療料は「相談機能が実体として存在するか」を問う改定になりました。返還リスク対策として、以下の3点の標準化が必要です。

  1. 同意書・説明文書の整備
  2. 発達障害の疑いがある患者への相談・紹介の記録
  3. 時間外対応の運用記録

発達障害研修は現時点で「望ましい」という位置づけですが、次回改定で要件化される可能性が高いと見るべきです。今期中の受講をおすすめします。

20歳未満の心理社会的支援を強化したい場合、精神科標榜を追加し、通院精神療法の児童思春期支援指導加算2(新設・実績要件が緩い区分)を狙うという選択肢もあります。詳しくは精神科の改定記事をご覧ください。

3. 実務チェックリスト

  • 小児かかりつけ診療料の同意書・説明文書を最新の要件に合わせて更新したか
  • 発達障害の疑いがある患者への相談・紹介をカルテに記録する運用になっているか
  • 育児不安等への対応を記録として残しているか
  • 時間外対応の実績(時間外対応加算の区分、初期小児救急への参加回数)を記録できているか
  • 発達障害・虐待に関する研修の受講計画を立てたか

4. AIカルテはこの改定にどう効くか — 機能単位で見る

小児科の2026年は、点数ではなく「かかりつけ機能を果たしていることを記録で示せるか」が問われる年になりました。ポテックのAIカルテがどう支えるのか、機能ごとにご紹介します。

機能1:カルテ・オーダー作成 — 相談対応を記録として残す

診察中の音声からAIがSOAPカルテを生成し、セットオーダーで検査・処方を一括入力できます。

発達の相談、育児不安への対応、専門機関への紹介——これらは日常の診察の流れのなかで自然に発生し、そして記録に残りにくいやり取りです。小児科は1日の患者数が多く、1件あたりの記録に割ける時間は限られます。音声からカルテが生成される仕組みは、算定要件として明記された相談機能を「やったが記録がない」状態にしないという意味で、この科では特に効きます。

機能2:患者向けPHRアプリ「ポテ君」連携 — 保護者との接点を持つ

受診予約、LINEログインとPush通知、服薬リマインダに対応します。

小児科は保護者との継続的な関係が「かかりつけ」の実体です。予防接種のスケジュール、乳幼児健診の案内、感染症流行期の受診の目安。これらが保護者側に届く仕組みは、かかりつけ機能の実践そのものであり、同時にマイナ保険証利用率30%という共通要件(電子的診療情報連携体制整備加算)を満たすうえでも効いてきます。

機能3:経営分析ダッシュボード — 季節変動のなかで実績を読む

来院実績・患者単価・月次推移を自動集計し、可視化します。

小児科は感染症の流行に業績が大きく左右される科です。共通事項の取り切りが増収の主軸である以上、「患者数の増減」と「1人あたり単価の増減」を分けて見られる状態が要ります。物価対応料・ベースアップ評価料が正しく乗っているかは、単価の推移を見れば分かります。

全科共通事項もあわせてご確認ください

初再診料、物価対応料、ベースアップ評価料、電子的診療情報連携体制整備加算などの共通変更点は「全科共通事項」にまとめています。患者数の多い小児科では、共通事項の取り切りが増収の主軸になります。

出典(主要)

この診療科の経営トレンドを読む小児科クリニックの経営トレンド2026 — 「一般感染症外来だけ」では成立しない
この記事をシェア

本記事の位置づけ本記事の点数・加算・改定内容・費用相場は、コンサルティング会社・税理士法人・各医療機関の公表資料等の二次情報を基に整理したものです。実際の算定・届出・投資判断にあたっては、厚生労働省の告示・通知等の一次情報を必ずご確認ください。

AIカルテに関するお問い合わせはこちら

診療所向けAIネイティブ電子カルテ「AIカルテ」について、主な機能・料金プラン・導入までの流れなど、お気軽にご相談ください。デモのご依頼も承ります。

小児科の2026年度診療報酬改定 — 点数は据え置き、問われるのは相談機能の実体 | 株式会社ポテック