リウマチ科は、今回の改定で「特有の目玉」がない科です。関節リウマチの疾患管理に特化した新設・増点項目は確認できませんでした。
収益変動を決めるのは、共通事項(初再診料、物価対応料、ベースアップ評価料)と、バイオシミラー政策の強化度合いの2つです。
1. 主な変更点
| 項目 | 変更内容 | 新旧点数 | 影響度 |
|---|---|---|---|
| リウマチ科特有の管理料・手技料 | 関節リウマチの疾患管理に特化した新設・増点項目は確認できず(共通事項の影響が中心) | ― | ― |
| バイオ後続品使用体制加算(入院) | 算定日が「入院初日」→「退院の日」に変更。実績要件を「使用回数合計」から「1成分以上で直近1年間の規格単位数量50以上」等へ見直し。数量シェア目標はインフリキシマブ・エタネルセプト・アダリムマブ50%以上、リツキシマブ80%以上等 | 100点(点数据え置き・算定日変更)(要一次確認) | 中 |
| バイオ後続品導入初期加算(外来) | 継続(生物学的製剤の外来切替・導入時の説明を評価) | 150点(月1回・3月限度、据え置き)(要一次確認) | 小 |
| バイオ後続品調剤体制加算(新設・薬局側) | 保険薬局でバイオ後続品(インスリン製剤除く)を調剤した場合の加算を新設。院外処方の生物学的製剤(エタネルセプト、アダリムマブBS等の自己注射製剤)に波及 | 処方箋受付1回につき50点【新設・要一次確認】 | 中(間接) |
2. 経営インパクトと対応
(1)算定タイミングの変更に注意。 入院でのバイオ後続品使用体制加算が「入院初日」から「退院日」の算定に変わりました。レセコンの算定タイミング設定を変更しないと、算定漏れ・誤算定が発生します。
(2)バイオシミラーへの計画的切替が加算維持の条件になった。 国の数量シェア目標(アダリムマブ・エタネルセプト・インフリキシマブ50%以上、リツキシマブ80%以上)が明示され、実績要件も「使用回数合計」から「規格単位数量」ベースへ見直されました。フォーミュラリの整備と患者説明資材の準備を進めてください。加算維持と薬剤費の逆ザヤ回避の両面で意味があります。
(3)院外処方では薬局側との連携が有利に働く。 薬局にバイオ後続品調剤体制加算(50点)が新設されたことで、連携薬局からBSの在庫確保・切替協力を得やすくなりました。 自己注射製剤(エタネルセプト、アダリムマブBS等)を院外処方している場合、薬局との事前調整の価値が上がっています。
(4)高額バイオ使用患者の自己負担対策(高額療養費、在宅自己注射指導管理料の運用)は従来どおりで、特有の変更は確認できませんでした。
3. 実務チェックリスト
- (入院)バイオ後続品使用体制加算の算定日を「退院日」に変更したか
- 実績要件(1成分以上で直近1年間の規格単位数量50以上)を満たすか確認したか
- 主要成分のBS数量シェアが目標(50%/80%)に対してどの水準か把握しているか
- 先行品からBSへの切替について、患者説明資材を用意したか
- 院外処方の場合、連携薬局とBSの在庫・切替方針を共有したか
4. AIカルテはこの改定にどう効くか — 機能単位で見る
制度からの増点が見込めない年は、薬剤の選択と算定の精度が業績を分けます。ポテックのAIカルテがどう効くのか、機能ごとにご紹介します。
機能1:会計・レセプト管理 — 算定タイミングの変更に追随する
自動算定エンジンが包括・背反・回数制限をチェックし、加算の算定可否を自動判定します。
「入院初日」から「退院日」への変更は、運用を変えなければそのまま算定漏れになる種類の改定です。バイオ後続品導入初期加算の「月1回・3月限度」という制限も同様で、頻度の高くない算定ほど記憶からこぼれます。算定ロジックがシステム側にある状態が、こうした静かな取りこぼしを防ぎます。
機能2:経営分析ダッシュボード — BS数量シェアを指標として持つ
来院実績・患者単価・月次推移を自動集計し、可視化します。
数量シェア目標が明示された以上、「自院のアダリムマブのBS比率は何%か」は経営指標です。 目標に届いていなければ加算の実績要件を落とすリスクがあり、届いていれば薬剤費の構造も改善します。成分ごとのBS比率を月次で追える状態が、切替計画の進捗管理そのものになります。
機能3:カルテ・オーダー作成 — 切替の説明を記録に残す
診察中の音声からAIがSOAPカルテを生成し、セットオーダーで検査・処方を一括入力できます。
先行品からバイオシミラーへの切替は、患者の納得を得るプロセスが必要な変更です。バイオ後続品導入初期加算は説明を評価する加算であり、何を説明し、患者がどう反応したかの記録が算定の裏付けになります。診察の流れのなかで記録が残る仕組みは、切替を進めるうえでの実務的な支えになります。
全科共通事項もあわせてご確認ください
リウマチ科の増収は共通事項の取り切りが主軸です。初再診料、物価対応料、ベースアップ評価料、電子的診療情報連携体制整備加算については「全科共通事項」をご確認ください。
出典(主要)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- medicalcare-support「バイオ後続品使用体制加算【令和8年度】」 https://medicalcare-support.jp/articles/biosimilar-shiyou-taisei-kasan-2026
- 東京保険医協会「2026年度診療報酬改定 中医協答申(抜粋)」 https://www.hokeni.org/docs/2026021200012/