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外科の2026年度診療報酬改定 — 集約化と処遇改善、日帰り手術は半減

高難度手術に外科医療確保特別加算(手術料の15%)が新設され、加算額の30%以上を医師手当に還元することが義務づけられました。一方で短期滞在手術等基本料1「その他の場合」は約半減。病院は集約化の受け皿を目指し、日帰り手術中心の施設は算定方式の再点検が必要です。

2026年7月30日

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外科に対する今回の改定のメッセージは明確です。「集約化+処遇改善」への誘導です。

高難度手術に外科医療確保特別加算(手術料の100分の15)が新設された一方、外来で実施できる手術の包括評価は大幅に引き下げられました。手術をどこで、誰が、どの体制で行うかによって、収益が大きく分かれる設計になっています。

1. 主な変更点

項目変更内容新旧点数影響度
外科医療確保特別加算(新設)高難度手術(消化器外科中心、52術式以上とされる)の手術料に加算。年間200例以上等の実績要件。加算額の30%以上を対象診療科医師の手当として支給(うち8割以上を常勤医)する義務手術料の100分の15加算【新設・要一次確認】大(急性期病院)
地域医療体制確保加算2(新設)消化器外科・心臓血管外科・小児外科等の医師確保・処遇改善を行う病院を評価720点(入院初日)【新設・要一次確認】
短期滞在手術等基本料1の見直し「主として入院で実施される手術」は微増、「その他の手術」は約半減主として入院:2,947→2,948点/その他(麻酔あり):1,588→795点/その他(麻酔なし):1,359→680点(要一次確認)
短期滞在手術等基本料3(対象拡大・DPC解禁)施設基準が「DPC対象病院でないこと」→「病院であること」に変更されDPC病院も算定対象化。対象手術追加、既存手術は個別に増減例:K282水晶体再建術 17,457→18,001点/K890-3腹腔鏡下卵管形成術 100,243→95,723点(要一次確認)
入院手術対応加算(新設)外来実施率が高い手術を医学的必要性から入院で行う場合の加算。外来手術の実績要件あり例:K721内視鏡的大腸ポリープ切除術 366点、K282水晶体再建術 548点【新設・要一次確認】
創傷処置(J000)・創傷処理(K000)大きな変更は確認できず(据え置き)J000:52/60/90/160/275点、K000:筋肉臓器に達する5cm未満1,400点等、真皮縫合加算460点、デブリードマン加算100点(据え置き)

2. 経営インパクトと対応

(1)病院外科は加算の要件を精査する。 外科医療確保特別加算は手術料+15%と大きい一方、加算額の30%以上を医師手当として還元する義務があり、その8割以上を常勤医に支給する必要があります。就業規則の整備と届出が算定の前提です。対象術式と自院の症例数の棚卸しを行い、地域での手術集約化協議への参画を早急に検討してください。

(2)日帰り小手術を短手1「その他」で算定してきた施設は打撃が大きい。 局所麻酔の体表手術等で1件あたり約800点の減。算定区分の再点検(短手1をやめて出来高算定と比較する)が必須です。 包括点数が半減した以上、これまでの前提は成り立ちません。

(3)DPC病院の短手3参入で競争環境が変わる。 施設基準が「病院であること」に変更されたため、DPC対象病院も短期滞在手術等基本料3を算定できるようになりました。自院の対象術式ごとの採算を、短手3の新点数で再計算してください。

(4)入院手術対応加算は実績要件に注意。 外来実施率の高い手術を医学的必要性から入院で行う場合の加算ですが、外来手術の実績要件があります。要件を満たすかどうかを事前に確認してください。

3. 実務チェックリスト

  • 外科医療確保特別加算の対象術式一覧に自院の主要術式が含まれるか確認したか
  • 年間200例以上等の実績要件を満たすか確認したか
  • 加算額の30%以上を医師手当として支給する仕組みと就業規則を整備したか
  • 短手1で算定している症例について、出来高算定との収益比較を行ったか
  • 短手3の新点数で、対象術式ごとの採算を再計算したか
  • 入院手術対応加算の外来手術実績要件を満たすか確認したか

4. AIカルテはこの改定にどう効くか — 機能単位で見る

外科の2026年は、「どの算定方式を選ぶか」という判断が収益を左右する年になりました。ポテックのAIカルテがどう支えるのか、機能ごとにご紹介します。

機能1:会計・レセプト管理 — 短手と出来高、どちらが有利かを判定する

自動算定エンジンが包括・背反・回数制限をチェックし、算定可否を自動判定します。

短手1「その他」が半減した以上、症例ごとに「短手で算定するか、出来高で算定するか」を判断する必要が出てきました。 これは従来ほとんど検討の余地がなかった判断です。包括される項目と出来高で算定できる項目を正確に把握できていなければ、比較そのものができません。算定ロジックが整理されている状態が、この判断の前提になります。

機能2:経営分析ダッシュボード — 術式ごとの採算を見る

来院実績・患者単価・月次推移を自動集計し、可視化します。

今回の改定は術式によって増減がまちまちです。「手術部門全体で見て増えたか減ったか」では、どこに手を打つべきかが分かりません。 術式ごと・算定方式ごとの件数と収益を分けて見られる状態が、集約化の判断(何を残し、何を連携先に回すか)の土台になります。

機能3:カルテ・オーダー作成 — 入院の医学的必要性を記録する

診察中の音声からAIがSOAPカルテを生成し、セットオーダーで検査・処方を一括入力できます。

外来実施率の高い手術を入院で行う場合、「なぜ入院が必要だったのか」の記録が査定対策になります。 全身麻酔の必要性、併存疾患、認知症や全身状態のリスク。入院手術対応加算の算定にも、医学的必要性の裏づけが求められます。記録形式を揃えられることは、こうした説明責任を果たすうえで実務的な意味を持ちます。

全科共通事項もあわせてご確認ください

初再診料、物価対応料、ベースアップ評価料、電子的診療情報連携体制整備加算などの共通変更点は「全科共通事項」にまとめています。

出典(主要)

この診療科の経営トレンドを読む外科クリニックの経営トレンド2026 — 「外科単独標榜」が成立しにくい構造
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本記事の位置づけ本記事の点数・加算・改定内容・費用相場は、コンサルティング会社・税理士法人・各医療機関の公表資料等の二次情報を基に整理したものです。実際の算定・届出・投資判断にあたっては、厚生労働省の告示・通知等の一次情報を必ずご確認ください。

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