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眼科医療機関連携強化加算とは|内科の新設加算が眼科の紹介を増やす仕組みと返書の運用

2026年9月13日

眼科医療機関連携強化加算とは|内科の新設加算が眼科の紹介を増やす仕組みと返書の運用
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2026年度診療報酬改定で、眼科医療機関連携強化加算が新設されました。糖尿病を主病とする患者について、内科等から眼科への受診につなぐ連携を評価する加算です。

ここで多くの眼科クリニックが見落としやすい点があります。この加算を算定するのは眼科ではなく、生活習慣病管理料を算定している内科側です。

「では眼科には関係ないのか」というと、まったく逆です。加算の算定要件には**「眼科を受診したかどうかの確認」**が含まれます。つまり、眼科から返書が返ってこなければ、紹介元の内科は算定を完結しにくい。 この構造が意味するのは、返書を確実に返せる眼科ほど紹介が集まるということです。

本記事では、眼科医療機関連携強化加算の仕組みを整理したうえで、眼科側が何をすれば紹介の入口を広げられるのかを、カルテ運用の観点から解説します。

免責:本記事は一般的な情報提供です。点数・算定要件・施設基準は告示および地方厚生(支)局の通知が正本であり、改定・疑義解釈により変わります。算定の判断は必ず最新の一次情報に基づいて行ってください。

眼科医療機関連携強化加算の概要

項目内容
点数60点(要一次確認)
算定回数患者1人につき年1回限り
算定する医療機関生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定している医療機関(=多くは内科)
対象患者糖尿病を主病とする患者
施行2026年(令和8年)6月1日

同時に、同じ枠組みで歯科医療機関連携強化加算(60点・年1回)も新設されています。糖尿病の合併症管理を、眼科と歯科の両方向で評価する設計です。

算定要件

公表されている内容を整理すると、内科側に求められるのはおおむね次の流れです(要一次確認)。

  1. 診療に基づき、糖尿病合併症の予防・診断・治療を目的とする眼科診療の必要を認める
  2. 患者に説明し、同意を得る
  3. 眼科を標榜する他の保険医療機関に対し、診療状況を示す文書を添えて患者の情報提供を行う
  4. 次回の診療時に、当該他の保険医療機関への受診状況について確認し、診療録に記載する

眼科側が押さえるべきは「4番」

注目すべきは4番です。内科は、患者を紹介して終わりではなく、次回の診療時に「実際に眼科を受診したか」を確認して診療録に記載する必要があります。

この確認の手段は、突き詰めれば2つしかありません。

  • 患者本人に口頭で確認する
  • 眼科からの返書(診療情報提供書・報告書)で確認する

前者は患者の記憶に依存し、記録の根拠としても弱くなります。確実なのは後者です。

つまりこの加算は、制度の設計上、眼科からの返書を内科が必要とする構造になっています。

眼科にとって何が変わるのか

紹介の入口が制度的に作られた

糖尿病網膜症のスクリーニングは、これまでも医学的には推奨されてきました。しかし内科側にとって、眼科への紹介は手間はかかるが点数にはならない行為でした。

今回の加算は、ここに年1回60点という評価を付けました。内科が糖尿病患者を眼科に送る経済的な理由ができたということです。

糖尿病を主病として生活習慣病管理料を算定している患者は、内科クリニック1院あたりでも相当数になります。その全員が年1回の眼科受診の対象になり得ます。

返書体制が「選ばれる理由」になる

ここからが眼科側の経営判断です。

内科が加算を算定するには、受診状況の確認が要ります。返書が確実に、早く返ってくる眼科は、内科にとって連携しやすい相手です。逆に、返書が返ってこない、あるいは数週間かかる眼科は、次から紹介先として選ばれにくくなります。

返書の運用が、そのまま紹介件数の上限を決めます。 これは従来からある構造ですが、加算の新設によって内科側のインセンティブが強まったぶん、差が出やすくなりました。

糖尿病網膜症は継続管理につながる

紹介で来た患者が網膜症を有していれば、そこから先は継続管理の領域に入ります。

  • 網膜症なしでも年1回の定期スクリーニング
  • 単純網膜症以降は、より短い間隔でのフォロー
  • 増殖前・増殖網膜症では光凝固術、糖尿病黄斑浮腫では抗VEGF硝子体注射

単発の紹介ではなく、継続受診のパイプラインとして設計できるのが糖尿病網膜症の特徴です。眼科の収益構造のなかで、慢性疾患の継続管理は白内障手術と並ぶ柱になります。

糖尿病患者の治療中断は臨床上も経営上も大きな問題です。糖尿病患者の治療中断を防ぐ もあわせてご覧ください。

返書業務をどう回すか

「返書を返す」と言葉にすると簡単ですが、実務では止まりやすいポイントがいくつもあります。

ボトルネックはどこにあるか

段階起こりやすい詰まり
紹介状の受領紙で届き、誰が受け取ったか分からなくなる
受診の紐づけ紹介状と実際の受診患者が結びつかない
返書の作成医師が診察後に手書き・手入力する時間が取れない
返書の送付作成はしたが送付されないまま滞留する
未返送の把握返していない返書がどれか、誰も把握していない

最後の行がもっとも重要です。返書は「返していないこと」自体が見えにくい業務です。診察は終わっており、患者も帰っています。督促してくるのは紹介元の内科だけで、その内科は次から別の眼科に送るという形で意思表示をします。

カルテ側で持つべき仕組み

  • 紹介元の管理:どの医療機関から、いつ、どの患者の紹介を受けたか
  • 紹介と受診の紐づけ:紹介状の受領と実際の受診を1つの記録として持つ
  • 返書の作成支援:診察記録・検査値から返書の下書きを起こせる
  • 未返送のアラート:返書が未作成・未送付の患者を一覧で出せる
  • 様式の保持:糖尿病眼手帳や自院の返書様式をテンプレートとして登録できる

返書に何を書くか

内科が求めているのは、患者が受診したという事実と、その後の管理方針です。おおむね次の要素が揃っていれば、連携としては十分に機能します。

  • 受診日
  • 網膜症の病期(所見)
  • 実施した検査(眼底検査、OCT等)
  • 治療の要否と内容
  • 次回の眼科受診の予定時期

とくに最後の「次回の受診予定」は、内科側の継続管理にも、眼科側の再診確保にも効きます。

AIカルテで返書と連携を回す

眼科は1日の患者数が多く、1人あたりの診察時間が短い診療科です。返書の作成時間を診察の外に確保するのは現実的ではありません。

ポテックのAIカルテは、この前提のうえで連携業務を支えます。

  • 文書自動作成:診察記録・検査値をもとに、AIが返書・診療情報提供書の下書きを生成します。テンプレート登録により自院の様式を保ったまま出力できます。文書生成の考え方は 生成AIによる医療文書作成 をご覧ください
  • 検査機器連携:オートレフ・眼圧計・OCT・眼底カメラの数値と画像がカルテに自動で取り込まれていれば、返書に転記する手間が消えます。詳しくは 眼科検査機器と電子カルテの連携 をご覧ください
  • AIアシスタント:定期フォローが必要な患者の受診間隔を監視し、フォロー漏れを検知します。糖尿病網膜症は自覚症状が乏しいまま進行するため、通院の途切れが失明リスクに直結します
  • 外部連携・API:OAuth2ゲートウェイ、MCPサーバー、HAPI FHIRに対応し、紹介・返書のやりとりを情報連携基盤に接続できます

返書にかかる手間が下がることは、そのまま受けられる紹介の量が増えることを意味します。

おわりに

眼科医療機関連携強化加算は、眼科が算定する加算ではありません。しかし、眼科の運用次第で紹介件数が変わる加算です。

要点は3つです。

  1. 算定するのは生活習慣病管理料を算定する内科側。60点・患者1人年1回・糖尿病が主病の患者が対象
  2. 算定要件に「眼科への受診状況の確認と診療録記載」が含まれるため、内科は眼科からの返書を必要とする
  3. 返書を確実に・早く返せる体制が、そのまま紹介の蛇口になる

地域の内科クリニックに対して「糖尿病網膜症のスクリーニングを引き受け、返書を確実にお返しします」と提示できることは、今回の改定下では明確な差別化になります。

眼科の改定全体は 眼科の2026年度診療報酬改定、内科側の視点は 糖尿病内科の2026年度診療報酬改定 で扱っています。眼科のレセプト査定対策は 眼科レセプトの査定を減らす をご覧ください。

連携業務のシステム設計についてのご相談は お問い合わせ からご連絡ください。

参考・出典

※点数・算定要件・施設基準は改定および疑義解釈により変更されます。算定にあたっては、厚生労働省および地方厚生(支)局が公表する最新の点数表・留意事項通知を必ずご確認ください。

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