「再診料に加算できるものを一覧で確認したい」「外来管理加算はどんなときに算定できないのか」「電話での再診でも加算は付くのか」。医療事務スタッフや事務長から、再診料まわりの加算について、こうした確認の声をよく聞きます。再診は外来の請求件数のほとんどを占めるため、加算の取りこぼしや過剰請求は、そのまま査定・返戻や収益に響きます。
本記事では、令和8年(2026年)の診療報酬点数表における**再診料(A001)の加算(注4〜注20)**のうち診療所で関係するものを一覧にし、点数・要件・併算定のルールを整理します。初診料側の整理は初診料の加算一覧にまとめています。
本記事は2026年10月21日時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。算定にあたっては、必ず最新の告示・通知および所管の地方厚生(支)局の案内でご確認ください。
再診料の基本と加算の全体像
再診料は76点です(A001)。再診の都度算定でき、同一日に2回以上の再診があっても、その都度算定できます(通知)。
再診料の加算は、告示上は注4〜注20に並んでいます。診療所で関係するものを種類ごとに整理すると次のとおりです。
診療所向け 再診料の加算一覧
| 加算 | 点数 | 告示の注 | 届出 | 主なポイント |
|---|---|---|---|---|
| 乳幼児加算(6歳未満) | 38点 | 注4 | 不要 | 時間外・休日・深夜などの加算を算定する場合は算定しない |
| 時間外加算 | 65点(6歳未満135点) | 注5 | 不要 | 表示する診療時間以外(深夜・休日を除く) |
| 休日加算 | 190点(6歳未満260点) | 注5 | 不要 | 休日に再診を行った場合 |
| 深夜加算 | 420点(6歳未満590点) | 注5 | 不要 | 深夜に再診を行った場合 |
| 小児科標榜の特例(夜間・休日・深夜) | 135点/260点/590点 | 注6 | 不要 | 6歳未満。表示する診療時間内の時間も対象 |
| 夜間・早朝等加算 | 50点 | 注7 | 施設基準あり | 診療所のみ。表示する診療時間内の夜間・早朝・休日・深夜 |
| 外来管理加算 | 52点 | 注8 | 不要 | 処置・リハビリ等を行わず計画的な医学管理を行った場合 |
| 時間外対応体制加算1〜4 | 7点/5点/4点/2点 | 注10 | 要届出 | 診療所のみ |
| 明細書発行体制等加算 | 1点 | 注11 | 施設基準あり | 診療所のみ。電子的診療情報連携体制整備加算とは併算定不可 |
| 地域包括診療加算1/2 | 38点・28点/31点・21点 | 注12 | 要届出 | 患者の同意を得て療養上必要な指導・診療を行った場合 |
| 外来データ提出加算 | 月1回10点 | 注13 | 要届出 | 地域包括診療加算を算定する場合 |
| 薬剤適正使用連携加算 | 3月に1回30点 | 注14 | 要件あり | 地域包括診療加算を算定する場合 |
| 外来感染対策向上加算 | 月1回6点 | 注15 | 要届出 | 診療所のみ |
| 発熱患者等対応加算 | 月1回20点 | 注15ただし書 | 上記の届出に含む | 発熱等の患者に適切な感染防止対策を講じて再診した場合 |
| 連携強化加算 | 月1回3点 | 注16 | 要届出 | 外来感染対策向上加算が前提 |
| サーベイランス強化加算 | 月1回1点 | 注17 | 要届出 | 同上 |
| 抗菌薬適正使用体制加算 | 月1回5点 | 注18 | 要届出 | 同上 |
| 電子的診療情報連携体制整備加算 | 月1回2点 | 注19 | 要届出 | 明細書発行体制等加算とは併算定不可 |
| 看護師等遠隔診療補助加算 | 50点 | 注20 | 要届出 | へき地診療所の医師等が、看護師等といる患者にオンライン診療を行う場合 |
※ 注1〜注3のうち、200床以上の病院に関する規定(特定妥結率再診料56点など)は、本記事の一覧に含めていません。
乳幼児加算と時間外・休日・深夜加算の関係
乳幼児加算(38点)
6歳未満の乳幼児に再診を行った場合に38点を加算します。ただし、注5(時間外・休日・深夜加算)または注6(小児科の特例)の加算を算定する場合は、乳幼児加算を算定しません。これらには6歳未満向けの点数が別に設けられているためです。
時間外・休日・深夜加算(注5)
| 区分 | 通常 | 6歳未満 |
|---|---|---|
| 時間外加算 | 65点 | 135点 |
| 休日加算 | 190点 | 260点 |
| 深夜加算 | 420点 | 590点 |
時間外・休日・深夜・時間外加算の特例・夜間・早朝等加算の取扱いは、通知で初診料の場合と同様とされています。時間外の標準的な時間帯、「常態として診療している場合は時間外としない」という考え方、「いずれか1つのみ算定できる」という整理は、初診料の加算一覧で解説しています。
小児科標榜の特例(注6)
小児科(小児外科を含む)を標榜する保険医療機関では、表示する診療時間内であっても、夜間・休日・深夜に6歳未満の乳幼児を再診した場合、135点/260点/590点を算定できます(告示の注6)。
夜間・早朝等加算(50点)
診療所が、午後6時(土曜日は正午)から午前8時までの間(深夜と休日を除く)、休日、深夜のうち、自院が表示する診療時間内の時間に再診を行った場合に50点を加算します(注7)。施設基準は初診料の注9と同じものです。時間外加算(表示する診療時間以外の時間)とは別の評価で、通知上いずれか1つの算定になります。
外来管理加算(52点)
再診料の加算のうち、算定漏れも過剰請求も起きやすいのが外来管理加算です。
算定できる場面
入院中の患者以外に対し、慢性疼痛疾患管理、告示で定める検査、第7部リハビリテーション、第8部精神科専門療法、第9部処置、第10部手術、第11部麻酔、第12部放射線治療を行わないで、計画的な医学管理を行った場合に52点を加算します(注8)。
通知が求める診療内容
通知では、医師が丁寧な問診と詳細な身体診察(視診・聴診・打診・触診等)を行い、その結果を踏まえて症状の再確認と、病状や療養上の注意点の説明を行うこととされています。事例として次の4つの取組が示されています。
- 問診し、患者の訴えを総括する
- 身体診察の所見と、それにもとづく医学的判断を説明する
- これまでの治療経過を踏まえた療養上の注意等を説明・指導する
- 患者の潜在的な疑問や不安を汲み取る
患者の状態から必要と思われる項目を行えばよく、必ずしもすべてを満たす必要はありません。ただし、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載することが求められます。
算定できないケース
| 場面 | 取扱い |
|---|---|
| 処置・リハビリ・手術等(点数のあるもの)を行った | 算定できない |
| 告示で定める検査(超音波、脳波、神経・筋検査、耳鼻咽喉科学的検査、眼科学的検査、負荷試験等、RI検査、内視鏡検査)を行った | 算定できない |
| 看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した | 再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない |
| 多忙等で問診・診察を行わず、簡単な症状の確認のみで継続処方した | 再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない |
| 電話等による再診(注9) | 算定できない |
| 情報通信機器を用いた再診 | 算定できない(通知) |
| 同一日・別診療科の2科目(注3、39点) | 算定できない |
| 複数科を標榜する医療機関で、一方の科が処置・手術等を行った | 他科でも算定できない |
なお、外来管理加算は標榜する診療科に関係なく算定でき、往診料を算定した場合にも再診料に加えて算定できます。
時間外対応体制加算(7点/5点/4点/2点)
診療所が、休診日・夜間の電話等の問い合わせに応じる体制を届け出て、再診を行った場合に区分に応じた点数を加算します(注10)。令和8年6月からの点数、加算1〜4の施設基準、届出の手順は時間外対応体制加算とは?令和8年改定の点数・施設基準・届出で解説しています。
通知では、電話等による再診の場合でも算定できるとされています。また、体制を作っただけでなく、緊急時の対応体制や連絡先を、院内掲示・文書の交付・診察券への記載などで患者に周知することが求められます。
地域包括診療加算と関連する加算
注12〜注14は、慢性疾患を持つ患者の継続的な診療を評価する一連の加算です。
| 加算 | 点数 | 要点 |
|---|---|---|
| 地域包括診療加算1(認知症を有する患者等) | 38点 | 届出が必要。患者の同意を得て、療養上必要な指導・診療を行う |
| 地域包括診療加算1(その他の慢性疾患等) | 28点 | 同上 |
| 地域包括診療加算2(認知症を有する患者等) | 31点 | 同上 |
| 地域包括診療加算2(その他の慢性疾患等) | 21点 | 同上 |
| 外来データ提出加算 | 月1回10点 | 診療報酬の請求状況と診療内容のデータを継続して厚生労働省に提出している場合 |
| 薬剤適正使用連携加算 | 3月に1回30点 | 他の医療機関等へ薬剤の服用状況を情報提供し、処方薬の種類数が減少した場合など |
通知では、初診時や訪問診療時(往診を含む)は算定できないこと、地域包括診療料と地域包括診療加算はどちらか一方に限ることが示されています。対象患者や施設基準は、地域包括診療加算とは?令和8年改定の点数・対象患者・施設基準と届出をご覧ください。
感染対策系の加算(注15〜注18)
外来感染対策向上加算(6点)、発熱患者等対応加算(20点)、連携強化加算(3点)、サーベイランス強化加算(1点)、抗菌薬適正使用体制加算(5点)は、いずれも月1回です。通知では、取扱いは初診料と同様ですが、同一月に初診料の外来感染対策向上加算、医学管理等の通則3、在宅医療の通則5、または在宅時医学総合管理料等(I012)に規定する外来感染対策向上加算を算定した場合は、再診料では算定できません。同じ月に別の区分で重ねて取れないよう、レセコンの設定を確認してください。要件は外来感染対策向上加算とは?にまとめています。
電子的診療情報連携体制整備加算(月1回2点)と明細書発行体制等加算(1点)
再診料の注19の電子的診療情報連携体制整備加算は、月1回2点です(初診料では15点/9点/4点)。通知では、オンライン資格確認で取得した診療情報・薬剤情報等を診療に活用できる体制を基本として、電子処方箋、電子カルテ、電子カルテ情報共有サービスの導入やサイバーセキュリティ対策などの医療DXに係る体制を評価するものとされています。
この加算を届け出た医療機関は、明細書発行体制等加算(注11、1点)を算定できません。届出の考え方は2026年改定で変わる医療DX関連加算をご覧ください。
電話等による再診(注9)の注意点
患者や看護に当たっている者から電話等で治療上の意見を求められて指示した場合も、再診料は算定できます(注9)。通知の要点は次のとおりです。
- 当該医療機関で初診を受けた患者について、再診以後に求められた場合が対象
- 定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できない(平成30年3月31日以前から3か月以上継続していた患者の経過措置あり)
- 病状の変化に応じて療養について医師の指示を受ける必要がある場合に、適切な指示をしたときに限る。同日の診察に付随する一連の行為とみなされる場合や、時間おきに病状の報告を受けるだけの場合は算定できない
- 乳幼児の看護者から求められた場合は乳幼児加算、時間外加算に当たる時間なら時間外・休日・深夜・夜間・早朝等加算を算定する(ファクシミリ・電子メールによる再診は、これらの加算は算定できない)
- 電話再診では、外来管理加算、地域包括診療加算、外来データ提出加算、感染対策系の加算、電子的診療情報連携体制整備加算など(注8、注12、注13、注15〜注20)は算定できない。時間外対応体制加算(注10)は算定できる
- 電話再診の算定時には、医学管理等(第2章第1部)は原則として算定できず、予約診察の特別料金は徴収できない
- ファクシミリ・電子メールによる再診は、聴覚障害者の患者に限る。速やかに応じた場合に限り算定でき、送受信の時刻を診療録に記載し、写しを添付する
2科目の再診料(注3、39点)
同一医療機関で、同一日に他の傷病について、患者の意思にもとづき別の診療科を再診として受診した場合、現に診療継続中の診療科1つに限り39点を算定できます。この場合、注4〜注8および注10〜注20の加算(乳幼児加算、時間外加算、外来管理加算、地域包括診療加算、感染対策系の加算など)は算定しません(注3、通知)。
また、診療継続中の患者が別の傷病にかかり、その傷病について初診があった場合は、初診料ではなく再診料を算定します(通知)。
院内チェックリスト
- 外来管理加算が、処置・告示で定める検査・リハビリ等を行った日に自動で付いていない
- 外来管理加算の算定日に、問診・診察所見の要点が診療録に記載されている
- 電話再診で、外来管理加算・地域包括診療加算などが算定されていない
- 6歳未満で、乳幼児加算と時間外等の加算が重複していない
- 時間外・休日・深夜・夜間・早朝等の加算が、レセコンで排他的に選択される設定になっている
- 2科目再診の日に、注4〜注8・注10〜注20の加算が自動で付いていない
- 月1回の加算(感染対策系、電子的診療情報連携体制整備加算など)が、同一患者の同一月で重複していない
- 電子的診療情報連携体制整備加算を届け出ている場合、明細書発行体制等加算を算定していない
- 届出が必要な加算は、地方厚生(支)局への届出が受理済みである
よくある質問
Q. 外来管理加算は、処置をしない日であれば自動的に算定できますか。 A. できません。処置等を行わないことに加えて、通知の求める問診・身体診察・説明などの診療内容が必要です。簡単な症状確認だけで継続処方した場合は、再診料のみの算定になります。
Q. 外来管理加算は何分以上の診察が必要ですか。 A. 今回確認した告示・通知には、診察時間の分数の要件はありません。診療内容の要点を診療録に記載することが求められています。
Q. 地域包括診療加算は初診でも算定できますか。 A. できません。通知で、初診時や訪問診療時(往診を含む)は算定できないとされています。
Q. 電話再診でも時間外対応体制加算は算定できますか。 A. 通知で、電話等による再診の場合であっても、時間外対応体制加算の算定は可能とされています。
まとめ
- 再診料は76点。加算は注4〜注20に整理され、診療所では乳幼児、時間外等、夜間・早朝等、外来管理、時間外対応体制、地域包括診療、感染対策系、電子的診療情報連携体制整備が中心です。
- 外来管理加算(52点)は、処置・告示で定める検査・リハビリ等を行わず、問診・身体診察・説明を伴う計画的な医学管理を行った場合の加算です。電話再診や2科目の再診では算定できません。
- 2科目の再診料(39点)、電話等による再診では、算定できない加算が多く、レセコンの自動付与が原因の誤りに注意が必要です。
- 月1回の加算は、同一患者・同一月で重ならないよう制御しておくと、請求ミスを減らせます。
加算の算定漏れや過剰請求は、算定漏れの原因別チェックリストにあるように、仕組みで防ぐのが近道です。令和8年改定の全体像は診療報酬改定2026も参考にしてください。
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参考・出典
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)医科診療報酬点数表 第1章第2節 再診料(A001 再診料 注1〜注20) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 厚生労働省保険局医療課「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日付 保医発0305第6号、1007訂正後)別添1 医科点数表に関する事項 第1部 第2節 再診料 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001757385.pdf