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一般名処方加算の算定要件|加算1・2の違いと院内掲示・届出の要否(令和8年)

2026年10月27日

一般名処方加算の算定要件|加算1・2の違いと院内掲示・届出の要否(令和8年)
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「一般名処方加算1と2は何が違うのか」「うちの処方箋で加算が付かないのはなぜか」「掲示や届出は必要なのか」。院外処方を出しているクリニックの医療事務の方から、処方箋料まわりでよくいただく確認です。一般名処方加算は1回の処方箋で数点ずつの加算ですが、処方箋は外来で最も多く発行する書類のため、算定ルールの理解が積み上がると収益と査定リスクの両方に影響します。

本記事では、令和8年の医科点数表(告示)、留意事項通知、施設基準通知の原文にもとづき、一般名処方加算の点数・算定要件・加算1と2の判定・院内掲示の要件を整理します。

免責:本記事は2026年10月27日時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。点数・算定要件の正本は厚生労働省の告示・通知です。算定の最終判断は、必ず最新の原文と管轄の地方厚生局・審査機関の取扱いでご確認ください。

一般名処方加算の全体像

一般名処方加算は、処方箋料(区分番号F400)の注6に定められた加算です。薬剤の一般的名称を記載する処方箋を交付した場合に、処方箋の内容に応じて、処方箋の交付1回につき所定点数に加算します。

区分点数算定単位
一般名処方加算18点処方箋の交付1回につき
一般名処方加算26点処方箋の交付1回につき

加算の土台となる処方箋料は、薬剤の種類数などに応じて、1(向精神薬の多剤投薬)20点、2(内服薬7種類以上など)32点、3(1・2以外)60点です。加算はこの所定点数に上乗せして算定します。

算定できる条件

算定には、次の3つがそろっている必要があります。

  1. 院外処方箋を交付していること。処方箋料は、保険薬局で調剤を受けさせるための院外処方箋を交付した場合に算定するもので、院内で薬を出す場合の加算ではありません(留意事項通知 F400(2))
  2. 施設基準を満たしていること(次の章)
  3. 一般名処方による処方箋であること。後発医薬品のある医薬品、およびバイオ後続品のあるバイオ医薬品について、薬価基準の品名に代えて、一般的名称に剤形と含量を付加した記載で処方している場合に限ります(留意事項通知 F400(12))

なお、一般名処方とは、通知の言葉を借りれば「単に医師が先発医薬品若しくは後発医薬品又は先行バイオ医薬品若しくはバイオ後続品の個別の銘柄にこだわらずに処方を行っているもの」です。

施設基準:院内掲示とWeb掲載(届出は不要)

一般名処方加算の施設基準は、施設基準通知(保医発0305第8号)の「第36の4」に定められています。内容は次のとおりです。

要件内容
院内掲示医薬品の供給状況や、長期収載品について医療上の必要性が認められない場合に患者の希望を踏まえて処方等した場合は選定療養となることなどを踏まえ、一般名処方の趣旨を患者に十分に説明することを、見やすい場所に掲示している
Web掲載上記の掲示事項を、原則としてウェブサイトにも掲載している。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない場合は、この限りでない
届出基準を満たしていればよく、地方厚生(支)局長への届出は不要

つまり、院内に掲示物を貼り、ホームページがあれば同じ内容を載せておけば、届出の手続きなしに加算を算定できる設計です。逆に言えば、掲示をしていないのに加算を算定している場合は、施設基準を満たさない算定になります。

掲示文の作り方

掲示の趣旨は「供給状況や選定療養を踏まえた、一般名処方の説明」です。以下は書き方の一例(ポテックが作成した例であり、国が示した雛形ではありません)です。

当院では、医薬品の供給状況が不安定な中でも必要なお薬をお渡しできるよう、後発医薬品のあるお薬を中心に、銘柄ではなく成分名(一般名)でお薬を処方する場合があります。お薬は薬局で、同じ成分のものからお選びいただけます。また、医療上の必要がないのに先発医薬品(長期収載品)を希望される場合は、選定療養として特別の料金をご負担いただくことがあります。ご不明な点はスタッフにお尋ねください。

選定療養の特別の料金の仕組みは 長期収載品とは?選定療養の対象外になるケースと特別の料金 で整理しています。掲示文に具体的な金額や割合を書く場合は、改定で変わりうるため、最新の通知で確認してから記載してください。

加算1と加算2の判定

加算1と2の違いは、処方箋に含まれる「後発医薬品のある医薬品」のうち、どれだけが一般名処方かです(留意事項通知 F400(12))。

状況算定する加算
処方箋に含まれる、後発医薬品のある全ての医薬品、およびバイオ後続品のあるバイオ医薬品が一般名処方されている一般名処方加算1(8点)
1品目でも一般名処方されたものが含まれている一般名処方加算2(6点)
一般名処方された医薬品が1品目もない算定できない

品目の数え方

品目数は一般的名称で数えます。ただし、投与経路が異なる場合は、一般的名称が同一でも別品目として数えます(同通知)。たとえば同じ成分の内服薬と外用薬は2品目になります。

判定の具体例

  • 処方箋に、後発品のある薬が3品目あり、3品目すべてを一般名で記載した → 加算1
  • 後発品のある薬が3品目あり、うち1品目だけ銘柄名で記載した → 加算2
  • 後発品のある薬が1品目あり、それを銘柄名で記載した → 加算なし

「後発品のある薬」が処方箋に1品目も含まれない場合の取扱いは、通知の書きぶり(後発医薬品のある医薬品等について一般名処方した場合に限り算定)から、加算の前提を満たさないと読めますが、実際の運用は審査支払機関の取扱いも確認してください。

内服薬の種類数の数え方への影響

一般名処方を行った場合、処方箋料の「2」(内服薬7種類以上)に該当するかを判定する「種類」の数え方に特例があります。通知は、一般名処方の場合の「種類」の計算で、該当する医薬品の薬価のうち最も低いものの薬価とみなすと定めています(F400(12))。

電子カルテやレセコンがこの取扱いに対応しているか、導入時に確認しておくと安心です。

実務チェックリスト

  • 院外処方箋を交付した場合の加算として運用している(院内投薬には付かない)
  • 一般名処方の趣旨を説明する掲示物を、患者から見やすい場所に掲示している
  • 自院のホームページがある場合、掲示と同じ内容を掲載している
  • 処方箋の薬剤が「一般的名称+剤形+含量」で記載されている
  • 後発品のある全薬剤が一般名なら加算1、一部なら加算2、と自動判定されている
  • 内服と外用の同一成分を別品目として数えている
  • 一般名処方マスタを、薬価改定や新規後発品の収載に合わせて更新している

よくある質問

Q. 一般名処方加算は届出が必要ですか。

A. 不要です。施設基準通知は、基準を満たしていればよく、地方厚生(支)局長への届出は必要ないとしています。ただし、掲示とWeb掲載(ホームページがある場合)は必要です。

Q. 院内処方をしている患者にも付きますか。

A. 付きません。一般名処方加算は処方箋料の加算で、処方箋料は院外処方箋を交付した場合の点数です。

Q. 医師が一般名で処方すれば、薬局では必ず後発品が出ますか。

A. 一般名処方は、銘柄にこだわらない処方という意味で、薬局が同じ成分の中から調剤します。薬局での選択は、患者の希望や在庫、選定療養の取扱いにもよります。クリニック側は、掲示で趣旨を患者に説明しておくと、窓口での問い合わせが減らせます。

Q. 先発品を名指しした処方が一部あると、加算は付きませんか。

A. 一般名処方された薬が1品目でもあれば加算2、後発品のある全薬剤が一般名処方であれば加算1です。

まとめ

  • 一般名処方加算は処方箋料の注6。加算1が8点、加算2が6点で、処方箋の交付1回につき算定する
  • 算定できるのは、施設基準を満たす医療機関が、後発品のある医薬品などを一般名処方で院外処方箋に記載した場合
  • 後発品のある全薬剤が一般名なら加算1、1品目でも含まれれば加算2。品目は一般的名称で数え、投与経路が違えば別品目
  • 施設基準は、一般名処方の趣旨を説明する院内掲示と、原則としてWeb掲載。地方厚生局への届出は不要
  • 掲示をしないままの算定は施設基準を満たさない。導入時と年1回の見直しで、掲示と電子カルテの設定を確認する

処方箋料のほかの加算は 特定疾患処方管理加算の記事 を、院外処方箋の電子化は 電子処方箋の導入ガイド を、届出不要の施設基準の考え方は 夜間・早朝等加算の施設基準 を参照してください。算定漏れを防ぐ運用は 算定漏れの原因別チェックリスト に、令和8年度改定の全体像は 診療報酬改定2026の全体像 にまとめています。

ポテックは、クリニック向けのAI電子カルテと、算定要件をふまえたレセプトチェック機能を提供しています。処方箋の加算の自動判定や、改定に合わせた設定の見直しなどでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

参考・出典

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