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療養・就労両立支援指導料とは?令和8年改定の点数・算定要件・相談支援加算の届出

2026年10月16日

療養・就労両立支援指導料とは?令和8年改定の点数・算定要件・相談支援加算の届出
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「療養・就労両立支援指導料は、どの患者から算定できるのか」「令和8年度の改定で何が変わったのか」「相談支援加算は50点から400点になったが、届出は要るのか」——がん、糖尿病、心疾患などで通院しながら働く患者を診る内科系・専門診療科のクリニックで、院長や事務長、医療事務の方から確認されることの多いテーマです。本記事では、厚生労働省の改定概要資料、厚生労働省労働基準局の周知文書(基安労発0305第2号・第3号)、特掲診療料の施設基準通知(保医発0305第8号)にもとづき、算定要件と届出の要点を整理します。

免責:本記事は2026年10月16日時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。点数・算定要件・施設基準・届出の取扱いは、厚生労働省の告示・通知および管轄の地方厚生局の案内が正本です。算定や届出の最終判断は、必ず最新の原文と管轄の地方厚生局でご確認ください。

改定全体は 診療報酬改定2026 クリニックが押さえるべき変更点と対応策、内科系の変更点は 診療報酬改定2026 内科 をご覧ください。

結論:令和8年6月からの変更点

項目令和8年5月まで令和8年6月から
初回800点850点(情報通信機器を用いた場合 740点)
2回目以降400点500点(情報通信機器を用いた場合 435点)
相談支援加算50点400点
対象患者厚生労働大臣が定める疾患(悪性腫瘍、脳血管疾患、指定難病、肝疾患(慢性経過)、心疾患、糖尿病、若年性認知症)の患者疾患の定めを廃止。疾患の増悪防止等のための反復継続した治療が必要な入院中の患者以外の患者で、就業の継続に配慮が必要なもの
勤務情報の文書患者と事業者が共同して作成した「勤務情報提供書」上記に加え、**患者が作成し事業者が確認した「治療と仕事の両立支援カード」**でも可
2回目以降の算定期間初回算定月から起算して3月を限度、月1回6月を限度、月1回
  • 点数・算定期間・対象患者の変更は、厚生労働省の改定概要資料と労働基準局の周知文書の双方に同じ内容が記載されています。
  • 診療報酬改定は令和8年6月1日適用です。

算定要件を3ステップで整理

この指導料は、就労中の患者の療養と就労の両立を支援するため、主治医が患者の就労状況を把握したうえで、勤務先の産業医等と情報連携を行った場合に算定するものです。厚生労働省の案内資料(令和8年度改訂版。上記の静岡労働局掲載PDFに収録)では、初回の算定要件を次の3つに分けて示しています。

手順内容
❶ 勤務情報を受け取る患者と事業者が共同して作成した勤務情報を記載した文書(患者が作成し事業者が確認を行った文書を含む)を、患者から受け取る。様式は「勤務情報提供書」または「両立支援カード」
❷ 指導を行う❶の勤務情報を踏まえ、患者に療養上の指導・就労上の指導を行う
❸ 産業医等へ情報提供患者が勤務する事業場に選任されている産業医等に、就労と療養の両立に必要な情報を提供する。様式は「主治医意見書」

2回目以降(500点)は、❹情報提供を行った後に就労の状況を確認し、患者に必要な療養上の指導を行った場合に、月1回算定します。

「産業医等」に含まれる職種

厚生労働省の概要資料の注記では、次の職種が示されています(労働安全衛生法に規定する者)。

  • 産業医
  • 総括安全衛生管理者
  • 衛生管理者
  • 安全衛生推進者・衛生推進者
  • 労働者の健康管理等を行う保健師

案内資料でも、患者の勤務先に選任されている産業医等が主治医からの情報提供先となる場合が要件になるとされています。勤務先に産業医等の選任がない場合の取扱いは、この資料からは確認できません。個別のケースは管轄の地方厚生局や、通知・疑義解釈の原文で確認してください。

算定期間の考え方

概要資料の記載では、2回目以降は「初回算定日の属する月又はその翌月から起算して6月を限度」とされています。改定前は3月でしたが、実態として3月以上継続されている点を踏まえ、6月に見直されました。算定期間の数え方は、レセプトコンピュータ上の算定回数管理と合わせて運用を決めておくと、算定漏れや算定超過を防げます。

文書料を別途徴収できない点に注意

概要資料には、この指導料が産業医等への情報提供の文書(産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書を含む)の作成に係る評価を含むため、算定した月内は、その文書の発行費用を「療養の給付と直接関係ないサービス等の費用」として別途徴収できない、と記載されています。窓口で診断書・意見書の文書料を案内する運用がある場合は、算定月の取扱いを見直してください。

相談支援加算(400点)の要件と届出

相談支援加算は、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士または公認心理師が相談支援を行った場合に算定します。案内資料では、専任の有資格者が療養上の指導に同席して相談支援を行った場合とされています。

施設基準(通知 第7の2)

特掲診療料の施設基準通知(保医発0305第8号)の「第7の2 療養・就労両立支援指導料」には、次のとおり定められています。

  1. 専任の看護師、社会福祉士、精神保健福祉士または公認心理師を配置していること
  2. 当該職員は、患者サポート体制充実加算に規定する職員と兼任であっても差し支えない
  3. 当該職員は、国または医療関係団体等が実施する研修であって、厚生労働省の定める両立支援コーディネーター養成のための研修カリキュラムに即した研修を修了していること

届出の手順

  • 届出は別添2の様式8の3(療養・就労両立支援指導料 相談支援加算の施設基準に係る届出書添付書類)を用います。
  • 様式には、該当職員(1名以上)の氏名、職種(看護師/社会福祉士/精神保健福祉士/公認心理師)、研修修了の有無を記載します。
  • 記載上の注意として、研修を修了したことが確認できる文書(研修の名称、実施主体、修了日、修了者の氏名等を記載した一覧でも可)を添付する必要があります。
  • 情報通信機器を用いて指導を行う場合(注5)の施設基準は、情報通信機器を用いた診療の届出を行っていればよく、注5として別に届出を行う必要はないとされています。オンライン診療の準備は オンライン診療の始め方 も参考になります。

届出から算定開始までの時期や、令和8年6月以降の届出受理の取扱いは、管轄の地方厚生局の案内で確認してください。

対象疾患の定めがなくなった実務への影響

疾患の定めが廃止されたことで、算定の入口は「どの病名か」から「反復継続した治療が必要で、就業の継続に配慮が必要か」へと移りました。以前は対象外だった疾患でも、この条件に当てはまれば算定の検討対象になります。

確認ポイント見るもの
入院中の患者ではないか外来患者が対象(入院中の患者は対象外)
反復継続した治療が必要か通院治療が続いている疾患か
就業の継続に配慮が必要か勤務時間・業務内容・通院頻度などの調整が必要か
勤務情報の文書があるか勤務情報提供書、または事業者が確認した両立支援カード
産業医等への情報提供先があるか勤務先に選任された産業医等の有無

注意:個別の患者が「就業の継続に配慮が必要なもの」に該当するかの判断は医師が行います。本記事は、病名ごとの算定可否を示すものではありません。

慢性疾患の継続的な管理は 特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料へのシフト対応、糖尿病外来の算定を業務フローから見直す もあわせてご確認ください。同じ診察で複数の管理料を扱う際の整理には、地域包括診療加算の記事 も参考になります。

院内チェックリスト

  • 算定対象になりうる患者像(外来・反復継続した治療・就業の継続に配慮が必要)を院内で共有した
  • 患者から受け取る勤務情報の文書(勤務情報提供書/事業者が確認した両立支援カード)の受け取り・保管方法を決めた
  • 産業医等に提供する「主治医意見書」の作成手順と、作成担当を決めた
  • 2回目以降の算定期間(6月を限度)を、レセコン上で確認できるようにした
  • 算定月の文書料の別途徴収を行わない運用に改めた
  • 相談支援加算を算定する場合、専任の有資格者を配置し、研修修了の確認書類を揃えた
  • 相談支援加算の届出(様式8の3)を行った
  • 算定漏れチェックの対象に、この指導料を加えた

算定の取りこぼしを防ぐ運用は 算定漏れはなぜ起こる?原因別チェックリストで収益ロスを防ぐ も参考になります。

よくある質問

Q. 令和8年5月まで対象外だった疾患の患者も算定できますか。 A. 令和8年6月から疾患の定めが廃止されました。疾患の増悪防止等のための反復継続した治療が必要な入院中の患者以外の患者で、就業の継続に配慮が必要なものが対象です。具体的な該当性は医師が判断し、要件を満たす文書のやり取りが必要です。

Q. 患者が自分で書いた「両立支援カード」だけで算定できますか。 A. 患者が作成した「両立支援カード」は、事業者の確認を経て医療機関に提供された場合に、勤務情報の文書として認められます。事業者の確認がないカードは、この要件を満たしません。

Q. 相談支援加算を算定するには届出が必要ですか。 A. 通知では、相談支援加算の施設基準に係る届出に別添2の様式8の3を用いるとされています。専任の有資格者の配置と、両立支援コーディネーター養成の研修カリキュラムに即した研修の修了が要件です。

Q. 患者サポート体制充実加算の担当者が、相談支援を兼ねてもよいですか。 A. 通知では、患者サポート体制充実加算に規定する職員と兼任であっても差し支えないとされています。

まとめ

  • 令和8年6月から、初回850点、2回目以降500点、相談支援加算は50点から400点に引き上げられました。
  • 対象疾患の定めが廃止され、「反復継続した治療が必要で、就業の継続に配慮が必要な外来患者」が対象になりました。
  • 勤務情報は、勤務情報提供書に加え、事業者が確認した「治療と仕事の両立支援カード」でも認められます。2回目以降の算定期間は6月まで延びました。
  • 相談支援加算には、専任の有資格者の配置、両立支援コーディネーター養成の研修修了、様式8の3の届出が必要です。

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参考・出典

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要」Ⅲ-1 療養・就労両立支援指導料の見直し、(参考)療養・就労両立支援指導料の概要 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681336.pdf
  • 厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長「治療と就業の両立支援に関する診療報酬の改定について」(令和8年3月5日付 基安労発0305第2号・第3号)(静岡労働局・労働者健康安全機構掲載) https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/content/contents/002589855.pdf
  • 厚生労働省保険局医療課「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日付 保医発0305第8号)(第7の2 療養・就労両立支援指導料、別添2 様式8の3)(九州厚生局掲載) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/000476242.pdf
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