この記事の要点
- 外来管理加算は再診料(A001)の注8に定める52点の加算です。再診料を算定する診療所と一般病床200床未満の病院が対象で、200床以上の病院の外来診療料では算定できません。
- 処置・リハビリ・手術・麻酔・放射線治療・精神科専門療法・慢性疼痛疾患管理、告示で定める生体検査(超音波・内視鏡など8区分)を行った日は算定できません。処置等は診療報酬点数のあるものに限られます。
- 丁寧な問診と詳細な身体診察、症状の再確認と病状・療養上の注意点の説明が求められ、聴取事項と診察所見の要点を診療録に記載します。
- 電話等による再診、情報通信機器を用いた再診、2科目の再診(39点)、看護者からの聴取のみでの投薬、簡単な確認だけの継続処方、生活習慣病管理料の算定日などでは算定できません。
「処置をした日は外来管理加算が取れないのはわかるが、検査はどこまでがダメなのか」「電話再診や2科目の再診で自動で付いてしまっていないか」——再診のたびに付く加算だからこそ、算定漏れと過剰算定の両方が起きやすいのが外来管理加算です。本記事では、令和8年の医科点数表(告示第69号)、留意事項通知(保医発0305第6号)、基本診療料の施設基準等(告示第70号)の原文にもとづき、外来管理加算の点数・算定要件・算定できないケースを整理します。
免責:本記事は2026年10月31日時点の公表情報にもとづく一般的な情報提供です。点数・算定要件は、厚生労働省の告示・通知が正本です。算定の最終判断は、必ず最新の原文と管轄の地方厚生局・審査機関の取扱いでご確認ください。
外来管理加算の全体像
外来管理加算は、再診料(区分番号A001)の注8に定められた加算です。留意事項通知では、「処置、リハビリテーション等(診療報酬点数のあるものに限る。)を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるもの」と説明されています。
点数
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 52点(再診料76点に加算) |
| 根拠 | 再診料(A001)注8 |
| 対象 | 入院中の患者以外の患者 |
| 対象となる医療機関 | 再診料を算定する医療機関(診療所、一般病床200床未満の病院) |
| 届出 | 不要(届出を求める規定はありません) |
| 標榜科 | 標榜する診療科に関係なく算定できる |
再診料は、診療所または一般病床の病床数が200床未満の病院で算定するものです(告示の注1、通知)。一般病床200床以上の病院は再診料ではなく外来診療料(A002)を算定し、留意事項通知で外来診療料では外来管理加算は算定できないとされています。また、外来管理加算は再診料の加算であり、初診料には外来管理加算の規定はありません。
算定要件
告示の要件:行わないもの
告示の注8では、入院中の患者以外の患者に対して、次のものを行わないものとして、厚生労働大臣が定める計画的な医学管理を行った場合に52点を加算すると定めています。
- 慢性疼痛疾患管理
- 厚生労働大臣が定める検査(下表)
- 第7部 リハビリテーション
- 第8部 精神科専門療法
- 第9部 処置
- 第10部 手術
- 第11部 麻酔
- 第12部 放射線治療
基本診療料の施設基準等(告示第70号)では、「計画的な医学管理」を、これらを行わず「懇切丁寧な説明が行われる医学管理」と定めています。
厚生労働大臣が定める検査(8区分)
告示第70号と留意事項通知では、生体検査料(第2章第3部第3節)のうち次の区分に掲げる検査とされています。
| 告示で定める検査の区分 |
|---|
| 超音波検査等 |
| 脳波検査等 |
| 神経・筋検査 |
| 耳鼻咽喉科学的検査 |
| 眼科学的検査 |
| 負荷試験等 |
| ラジオアイソトープを用いた諸検査 |
| 内視鏡検査 |
この一覧は生体検査の一部の区分です。血液検査などの検体検査や、心電図検査(D208)が属する呼吸循環機能検査等の区分は含まれていません。また、処置やリハビリ等は「診療報酬点数のあるものに限る」とされており、点数のない行為を行ったことだけで算定できなくなるわけではありません。
通知の要件:丁寧な問診・診察・説明
留意事項通知では、外来管理加算を算定するにあたって、医師は**丁寧な問診と詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)**を行い、その結果を踏まえて、症状の再確認をしながら病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するため、次の取組を行うとされています。
- 問診し、患者の訴えを総括する
- 身体診察によって得られた所見と、その所見にもとづく医学的判断等を説明する
- これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う
- 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組を行う
診察では、これらのうち患者の状態等から必要と思われるものを行えばよく、必ずしもすべての項目を満たす必要はありません。一方で、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載することが求められています。カルテに要点が残っていないと、算定の根拠を示せません。
算定できる場面の補足
- 標榜する診療科に関係なく算定できます
- 往診料(C000)を算定した場合にも、再診料に加えて外来管理加算を算定できます
算定できないケース
告示・通知で算定できないとされている場面を、一覧にまとめます。
| 場面 | 取扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 処置・リハビリ・手術・麻酔・放射線治療・精神科専門療法(点数のあるもの)を行った | 算定できない | 告示 注8、通知 |
| 告示で定める検査(上記8区分)を行った | 算定できない | 告示 注8、告示第70号 |
| 慢性疼痛疾患管理を行った | 算定できない | 告示 注8 |
| 入院中の患者 | 算定できない | 告示 注8 |
| 電話等による再診(注9) | 算定しない | 告示 注9 |
| 情報通信機器を用いた再診 | 算定できない | 通知 |
| 同一日に別の診療科を受診した2つ目の診療科の再診(注3、39点) | 算定しない | 告示 注3、通知 |
| 複数科を標榜する医療機関で、2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置または手術等を行った | 他科でも算定できない | 通知 |
| やむを得ない事情で、看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した | 再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない | 通知 |
| 多忙等を理由に、問診・診察・説明を行わず、簡単な症状の確認等のみで継続処方を行った | 再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない | 通知 |
| 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定した日の診療 | 外来管理加算の費用は所定点数に含まれる | 通知(B001-3、B001-3-3) |
| 一般病床200床以上の病院(外来診療料) | 算定できない | 通知(A002) |
生活習慣病管理料については、留意事項通知で、算定日とは別の日に診療を行った場合の外来管理加算は、要件に従い算定できるとされています。同じ月でも、算定日かどうかで扱いが変わる点に注意してください。
同じ日に複数の診療科を受診した場合
複数の診療科で再診を受けた日は、次の2つのルールを分けて確認します。
- 2つ目の診療科の再診料(39点)には付けない:同一日に他の傷病について、患者の意思にもとづき別の診療科を再診として受診した場合、2つ目の診療科は39点を算定し、注4から注8まで、注10から注20までの加算は算定しません。外来管理加算(注8)もこれに含まれます。
- 一方の科で処置・手術等があれば、他科でも付けない:複数科を標榜する医療機関で、外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置または手術等を行った場合は、他科において外来管理加算は算定できません。
令和8年改定での変更点
令和8年の告示(令和8年6月1日適用)でも、外来管理加算は52点で、注8の書きぶり(行わないものの範囲)、留意事項通知の内容、告示第70号の検査区分に大きな変更は見当たりません。厚生労働省の改定概要資料(個別改定事項)にも、外来管理加算の見直しは挙げられていません。
一方、再診料まわりでは、医療DX関連の加算が電子的診療情報連携体制整備加算に再編されるなど、ほかの加算が変わっています。外来管理加算と同時に算定する加算の設定を見直した際に、外来管理加算の自動付与の条件まで崩れていないか、あわせて確認しておくと安心です。再診料の加算全体は 再診料の加算一覧 にまとめています。
算定漏れ・誤算定のチェックリスト
- 再診で、処置・リハビリ・告示の8区分の検査等を行っていない日に、外来管理加算が付いているか(算定漏れ)
- 点数のある処置やリハビリ、超音波・内視鏡などの検査を行った日に、外来管理加算が付いていないか(誤算定)
- 問診・身体診察・説明の要点(聴取事項、診察所見)が診療録に記載されているか
- 電話等による再診、情報通信機器を用いた再診で自動付与されていないか
- 同一日2科目の再診(39点)に付いていないか
- 複数科受診の日に、一方の科で処置・手術等をしていないか
- 家族等からの聴取だけでの投薬や、簡単な確認だけの継続処方に付けていないか
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定した日に付けていないか(別日は要件に従い算定可)
外来管理加算は「何をしなかったか」で決まる加算のため、処置や検査のオーダーと連動したレセコンの自動判定が便利な反面、オーダーに出ない処置や、電話再診・2科目再診の扱いで誤りが残りやすい部分です。月末のレセプト点検で、上記の条件を一覧で確認する運用をおすすめします。
よくある質問
Q. 外来管理加算は何点ですか。 A. 52点です。再診料(A001)の注8に定められており、再診料に加算します。初診料には外来管理加算はありません。
Q. 血液検査や心電図をした日でも算定できますか。 A. 告示で定める検査は生体検査料のうち8区分(超音波検査等、脳波検査等、神経・筋検査、耳鼻咽喉科学的検査、眼科学的検査、負荷試験等、ラジオアイソトープを用いた諸検査、内視鏡検査)です。検体検査や、呼吸循環機能検査等に属する心電図検査は一覧に含まれていません。ほかの要件を満たしていれば算定の対象になり得ますが、審査機関の取扱いもあわせてご確認ください。
Q. 診察時間が短い場合は算定できませんか。 A. 現在の告示・通知には、診察時間の長さを要件とする記載はありません。求められているのは、丁寧な問診と詳細な身体診察、説明などの取組と、その要点の診療録への記載です。簡単な症状の確認だけで継続処方した場合は算定できません。
Q. 電話再診やオンライン診療でも算定できますか。 A. 算定できません。電話等による再診は告示の注9で、情報通信機器を用いた再診は留意事項通知で、外来管理加算を算定しないとされています。
Q. 往診した日にも算定できますか。 A. 往診料を算定した場合にも、再診料に加えて外来管理加算を算定できると通知されています。
Q. 令和8年改定で変わりましたか。 A. 点数は52点で、要件にも大きな変更は見当たりません。改定概要資料にも見直し項目として挙げられていません。
まとめ
- 外来管理加算は再診料の注8に定める52点の加算。再診料を算定する診療所・一般病床200床未満の病院が対象で、届出は不要
- 処置・リハビリ・手術・麻酔・放射線治療・精神科専門療法・慢性疼痛疾患管理、告示で定める8区分の検査を行った日は算定できない(処置等は点数のあるものに限る)
- 丁寧な問診・詳細な身体診察・説明を行い、聴取事項と診察所見の要点を診療録に記載する
- 電話等による再診、情報通信機器を用いた再診、2科目の再診(39点)、看護者からの聴取のみでの投薬、簡単な確認だけの継続処方、生活習慣病管理料の算定日は算定できない
- 令和8年改定での見直しは確認できず、52点のまま
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よくある質問
- Q. 外来管理加算は何点ですか?
- A. 令和8年の医科点数表で52点です。再診料(A001)の注8に定められており、再診料に加算します。初診料には外来管理加算はありません。
- Q. 外来管理加算の算定要件は何ですか?
- A. 入院中以外の患者に、処置・リハビリ・告示で定める検査等を行わずに計画的な医学管理を行うことです。留意事項通知では、医師が丁寧な問診と詳細な身体診察を行い、症状の再確認をしながら病状や療養上の注意点を説明し、患者の疑問や不安を解消する取組を行うこととされ、聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載します。
- Q. 血液検査や心電図をした日でも算定できますか?
- A. 告示で定める検査は、生体検査料のうち超音波検査等、脳波検査等、神経・筋検査、耳鼻咽喉科学的検査、眼科学的検査、負荷試験等、ラジオアイソトープを用いた諸検査、内視鏡検査の8区分です。血液検査などの検体検査や、呼吸循環機能検査等の区分に属する心電図検査はこの一覧に含まれていません。ほかの要件を満たしていれば算定の対象になり得ますが、最終的には審査機関の取扱いもご確認ください。
- Q. 電話再診やオンライン診療でも算定できますか?
- A. 算定できません。電話等による再診は告示の注9で外来管理加算を算定しないと定められ、情報通信機器を用いた再診も留意事項通知で算定できないとされています。
- Q. 同じ日に2つの診療科を受診した場合はどうなりますか?
- A. 2つ目の診療科の再診料(39点)には外来管理加算を算定しません。また、複数科を標榜する医療機関で、2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置や手術等を行った場合は、他科でも外来管理加算は算定できません。
- Q. 令和8年改定で外来管理加算は変わりましたか?
- A. 令和8年の告示でも52点で、算定要件の書きぶりにも大きな変更は見当たりません。厚生労働省の改定概要資料にも外来管理加算の見直しは挙げられていません。