眼科の電子カルテには、他の診療科にはない要件がいくつも重なります。視力・眼圧・屈折といった検査値を左右眼ごとに記録し、OCTや眼底カメラの画像を経時的に比べ、白内障手術では術前計算から術後検診までを管理し、コンタクトレンズ検査料のような独特の算定ルールにも対応する——。ポテックが開発する「AIカルテ」は、AIを前提に設計されたAIネイティブの電子カルテであり、眼科向けにはこうした要件をひとつの基盤で扱えるように設計されています。本記事では、眼科にAIカルテが向いている理由を7つの強みに分けて整理します。各テーマの詳細は、それぞれの解説記事で掘り下げています。
なぜ眼科の電子カルテは「つながり」が重要なのか
眼科の診療は、検査・診察・手術・会計がそれぞれ独立しているように見えて、実際には強く結びついています。
- 視能訓練士(ORT)が測った検査値を、医師が診察で参照して所見を書く
- 検査の実施内容が、そのまま算定とレセプトの根拠になる
- 白内障手術では、術前の眼軸長測定からIOL度数を決め、術後は決まったスケジュールで検査を繰り返す
- 緑内障のような慢性疾患では、眼圧・視野・OCTの推移を年単位で追い、点眼の継続を支える
これらが別々のシステムや紙に分かれていると、転記・二重入力・確認作業が積み重なります。眼科の電子カルテ選びでは、個々の機能の有無だけでなく、検査から会計、そして患者とのやり取りまでが一続きのデータとしてつながっているかが効率と安全性を大きく左右します。製品選びの全体像は 眼科専用電子カルテおすすめ比較 と 眼科向け電子カルテ製品比較2026 でも解説しています。
強み1:11種の眼科検査値を左右別に入力・履歴化
AIカルテ眼科では、視力・屈折・眼圧・角膜曲率・OCTなど11種の検査を左右別に入力し、履歴として蓄積できます。対応検査の範囲も広く、視力(裸眼・矯正)、眼圧(NCT・GAT)、オートレフによる屈折検査などの基本検査から、細隙灯顕微鏡検査・角膜内皮細胞検査・前房深度測定・パキメトリーといった前眼部検査、静的・動的視野検査、ERG・VEPなどの電気生理学的検査、シルマー試験や眼軸長測定まで網羅しています。
左右眼の区別が構造として組み込まれていることで、R/Lの取り違えを起こしにくく、過去値との比較もしやすくなります。詳しくは 眼科の検査値を左右別に正しく記録する をご覧ください。
強み2:検査機器からDICOM経由で自動取込
眼科は検査機器の数が特に多い診療科です。AIカルテ眼科は、OCT・眼底カメラ・眼圧計・オートレフなどの検査機器からDICOM経由でデータを自動取込します。TOPCON・NIDEK・Carl Zeiss・CANON・TOMEY・Reichert・HAAG-STREIT・KOWA・CREWTなど主要メーカーの機器に対応しており、DICOM対応機器であれば標準的な連携が可能です。
画像はクラウドストレージに保存されるため、容量を気にせず高解像度の画像を保存・閲覧できます。手入力の手間と転記ミスを減らし、診察画面から過去の検査を横断的に参照できる点が、検査比重の高い眼科で効いてきます。詳しくは 眼科のDICOM連携とクラウド画像管理 で解説しています。
強み3:眼科テンプレート・シェーマ入力とAI所見ドラフト
眼科の記録では、前眼部や眼底の所見を図(シェーマ)で残す場面が多くあります。AIカルテ眼科は眼科テンプレートを搭載し、シェーマ入力にも対応。さらに、**AIが検査結果から所見を自動提案(所見ドラフト)**し、過去カルテの参照とあわせて眼科特有のカルテ記載を効率化します。
加えて、AIネイティブ設計として、音声からのSOAP自動構造化、診断提案・鑑別診断、検査トレンド要約まで、診療フロー全体にAIが伴走します。AIの提案はあくまで下書きであり、最終判断と確定は医師が行う前提です。シェーマとAI所見の詳細は 眼科のシェーマ入力とAI所見ドラフト、音声入力については AI音声入力で眼科のカルテ記載時間を削減する方法 をご覧ください。
強み4:白内障手術を支えるIOL度数計算とクリニカルパス
白内障手術は眼科クリニックの中核業務のひとつです。AIカルテ眼科は、白内障手術前の眼軸長から最適なIOL度数を自動算出するIOL度数計算機能を備えています。さらに、白内障クリニカルパスとして、手術 → 術後1日 → 7日 → 1か月の検査・処置を自動展開します。
手術管理の面では、手術予約、術前・術中・術後記録、説明同意書のPDF生成までを同じ基盤で扱えます。術後検診については、AIによる次回予約レコメンドにも対応しています。詳しくは 白内障手術のIOL度数計算と電子カルテ と 白内障クリニカルパスの電子化、同意書まわりは 眼科の手術説明書・同意書をAIで作成する で解説しています。
強み5:眼科特有コードに対応したレセコン一体型の自動算定
AIカルテ眼科は電子カルテとレセコンを同一プロダクトで提供するレセコン一体型です。別途レセプトコンピューターを導入する必要はなく、眼科特有の検査・処置コードに対応した自動算定エンジンを内蔵し、包括・背反チェックを行ったうえで、点検・提出ファイルまで一気通貫で生成できます。
AIがリアルタイムで保険請求の整合性を検証し、返戻リスクを事前に検知するため、検査の種類が多く病名との対応が複雑な眼科の算定を仕組みで支えられます。査定対策の考え方は 眼科レセプトの査定を減らす、CL検査料については コンタクトレンズ検査料の算定ルール完全ガイド をご覧ください。
強み6:紹介状・診断書・同意書などの文書をAIがドラフト
眼科では、紹介状・診断書・手術説明書・同意書など作成する文書が多岐にわたります。AIカルテ眼科では、これらの眼科文書をAIが自動でドラフトし、テンプレートをカスタマイズしてクリニック独自の書式にも対応できます。AIアシスタントは患者向け説明文のパーソナライズにも対応しており、説明の質をそろえながら作成時間を短縮できます。
強み7:患者向けPHRアプリ「ポテっくん」との一体提供
AIカルテ眼科の大きな特長が、患者向けPHRアプリ「ポテっくん」と同じデータ基盤上で完全連動する点です。予約・問診・処方・支払いがリアルタイムにつながります。
- 受診予約・診察券:病院検索・予約・QR診察券をスマホで完結
- 問診:受診前にWebで回答し、院内ではAIがSOAPを補完
- 服薬管理:点眼薬・処方薬の管理、AI自動取込によるリマインダ
- 会計:診療費通知・デジタル領収書PDF
- LINE連携:LINEログイン・Push通知・予約リマインダ
点眼治療が長期に続く眼科では、患者側の服薬継続を支える仕組みが診療の質に直結します。詳しくは 眼科の点眼薬管理と患者アプリ連携、長期の経過観察については 緑内障の経過観察を電子カルテで効率化する で解説しています。
安心して使うための基盤:API連携とセキュリティ
7つの強みを支えるのが、拡張性と安全性を備えた基盤です。AIカルテ眼科は、OAuth2準拠の外部APIゲートウェイ、Webhook、AI向けの標準アクセス境界となるMCPサーバー、LINE Messaging APIなどに対応し、外部システムとのAPI連携が可能です(医療情報交換標準のFHIRゲートウェイは開発中)。
セキュリティ面では、医療機関ごとにデータを完全分離するマルチテナント構成、全CRUD操作の監査ログ、Passkey認証、MCPによるAIアクセス境界制御を備え、3省2ガイドラインに準拠した運用基盤を提供します。機能の全体像は AIカルテ 眼科 のページでご確認いただけます。
おわりに
眼科は、検査値・画像・手術・算定・患者とのやり取りが密接に絡み合う診療科です。だからこそ、それぞれを個別のシステムで補うのではなく、ひとつのデータ基盤の上でAIが横断的に支援する設計が力を発揮します。左右別の検査入力、DICOM機器連携、シェーマとAI所見ドラフト、白内障手術の支援、眼科特有の自動算定、文書作成、そしてPHRアプリとの一体提供——AIカルテ眼科は、眼科の日常業務のほぼすべての場面に寄り添うことを目指しています。
現在ニデックの「NAVIS-CL」をお使いで、端末更新などを機に乗り換えを検討されている施設もあるかと思います。NAVIS-CLを含む主要製品の比較と、乗り換え時に整理しておきたいポイントは 【2026年版】眼科向け電子カルテ比較 で解説しています。
ポテックはAIカルテの提供を通じて、クリニックの皆様の最適な事業パートナーとして、医師や看護師・医事スタッフの働きやすさの改善はもちろん、クリニックとして実現したいことを最大限に叶えられるようサポートいたします。
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